Orange ball【青峰大輝】

２１話 ページ22

『田沼くん？』






　





意外な人に話しかけられてびっくりした









和田「あー、わたくしお先に行きますわね〜」





　





　






にやにやしながら変な口調でこの場を離れるゆっこ




なんでゆっこが消える必要あるの









　



『どうしたの？』






田沼「Aさ、夏休み予定ある？」





『んー部活くらいかな』




田沼「じゃあさ、






　









　



　




　









オレと花火大会行かない？」







　








　





『……え？』









　




　





少し照れくさそうに言う田沼くん






えと…え？




　






　









『あの、それって…』






田沼「デートに誘ってます」




　





　






にこっと微笑む田沼くん





この笑みにときめかない女子はいるだろうか





不覚にも私もときめいてしまった








　








　





ていうか今“デート”って言ったよね！？





デートって…

　



【ていうかデートって言ったら下心バレバレじゃん！】





さっきのゆっこの言葉を思い出す






まさしくこれは









シタゴコロ！？！？！？
　









　









田沼「ダメ…かな？」



『あっ、えと…』






　







断ればいいのに



でももし自分が田沼くんの立場で



私が大輝を誘って断られたら…









　







　



間違いなくへこむ




そんで部活に身が入らないかも









　


　




　




そう考えると断りづらい









ていうか深く考えすぎなんじゃ…？








田沼くんは単純に私と行きたいだけかもしれないし！








いや、だからそれが下心で…







ていうか下心ってなんだ！？






　









考えれば考えるほど頭がこんがらがる



　





　





田沼「Aケータイ持ってる？」



『あ、持ってない』



田沼「そっか。じゃあ8月1日、18時に駅で待ってる」



『えっ、あ、ちょっと…！』




　


　








要件を言うとささっと帰っていく田沼くん









え、それって私行くしかないじゃん！！









　


　









　





和田(なんて上手い誘い方なんだ…！！)

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