第213話 ページ10
「ふぅ……」
と息を吐くと、取ってきた資料を部屋の机の上に置いた。
「……なんでこんなものが……こっちに……」
もし、これを見られてるのなら……
と考えて首を横に振ると、資料を荷物の中に突っ込み、廊下へと出た。
新「あ!Aさん、ここにいたんですね。」
「うん、私はこのまま別邸に向かうよ。」
新「実は僕らも今から行こうと思ってたんです。一緒にどうですか?」
……実の所、一人で行きたいけど……
依頼が彼らもあるし……断れば尚更怪しまれるだろう。
それならば……これも仕方ないことか。
「うん、もちろん。」
新「ありがとうございます。
……そういえば、Aさん。」
銀時さん達のところへ向かおうと足を進めていると、新八くんが私を見た。
「どうしたの?」
新「……何か、ありましたか?」
「えっ。それってどういう……?」
少し笑みを浮かべ、そう新八くんに聞くと目を伏せた。
新「この前会った時から、元気ないなって。」
「……そんなことないよ。
……心配しなくとも、私は元気だって。」
そうやって笑った私が本当に笑えていたのか、今にでも、相談したいことを飲み込んでそう考えた。
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作者名:Rukapyon | 作成日時:2023年11月10日 18時