第237話 ページ34
「全然開かない……」
体当たりじゃ、扉はビクともしなかった。
声が聞こえたし、戦闘はとっくに始まってる。
?「師匠〜っ!!いるなら、返事してくださいよー!!!!」
「この声、まさか桜井くん…!」
私のことを師匠と呼ぶのは桜井くんだけだ。
「…っ、さ、桜井くん!聞こえる?私はここ!!」
ドンドンとドアを叩き、そういうと、足音が近づいてきた。
桜「師匠!今、開けるので離れててくださいね。」
「…うん、分かった。ありがとう。」
部屋の奥の方まで離れると、突如ドアが爆発。
私は目を丸くし、は……と声を漏らした。
桂「はーっはっはっは。久しぶりだな、A。」
「桂さん!?」
桜「師匠、これどうぞ。」
私の手に置かれたのは、取られたはずの刀。
「なんでここに……」
桜「来る途中で見つけたんです!」
桂「何があったのか、銀時から聞いた。敵は任せろ。お前は真選組の元に行け。」
桂さんの言葉と共に、敵数名がこちらに向かっているのが見えた。
渡された刀に力を込め、いい迷っていると、桜井くんが私を見つめた。
桜「……師匠は、師匠の大切なものを護ってください。
僕達は僕達の護りたいものを選びます。
だから、大丈夫です!」
─色んな人の拠り所に、なれ。
師匠と交わしたひとつの約束。
私は、それを果たすのだ。
そう決心し、後ろを向いて刀を抜いた。
「……桜井くん!ありがとう、何かあったら呼んで。絶対駆けつけるから。」
桜「はいっ!師匠!!」
「…師匠では無いけど。」
そうこぼし、格子のついた窓を刀で斬って窓に足をかけた。
「それじゃ、下で待ってる!」
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作者名:Rukapyon | 作成日時:2023年11月10日 18時