第234話 ページ31
no-side
銀「なにが九条家の人間を探してくれだ。
探して欲しかったのは九条家の娘……お前の弟子のことだろ。」
千「銀時が既に知り合いだったとは思わなかった。
後…弟子でもあり、妹なんだ。」
千代晴は、寂しそうにそう言うと、風がヒューと吹き抜けた。
銀「悪いな、少し遅かったみたいだ。」
「…いや、構わないよ。
後から送った俺からのサインに気がついてくれたし。…
…俺の妹を頼むよ銀時。俺は、Aには会えない。」
銀時はくるりと千代晴に背を向けて、少し歩き始めた。
銀「……お前ら兄妹は、無茶な依頼押し付けやがって。高くつくからな。」
千「あぁ、好きなだけ請求すればいい。」
銀「お言葉に甘えさせてもらうからな。
だが、全部終わってからだ。
それまで、死のうなんざ考えんなよ。」
そう言って、銀時は千代晴の元を去っていった。
見えなくなるかそれぐらいになり、千代晴は目を伏せてゆっくりと呟いた。
千「…ありがとう、銀時。俺は俺の役割を果たす。
少なくとも、Aが帰るのを見届けるまで、死なないさ。」
千代晴は、銀時の向かった方向の逆方向へと歩いて消えていった。
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作者名:Rukapyon | 作成日時:2023年11月10日 18時