第222話 ページ19
─13年ほど前、私が5歳だった時のこと。
私は家族に殴られ、蹴られて家を閉め出されて一人で泣いていた時だった。
?「大丈夫か?」
「……ひっ、ごめ、ごめんなさっ……」
ビクビクする私に、優しく声をかけてくれた。
?「大丈夫だ。
……俺は、立花千代晴。君は?」
「……?」
首を傾げる私にその人は分かりやすく、名前は何?と聞いてくれた。
「……ない、です……」
名前がないと言った私に驚いたような顔をしたあと、その人は私に笑いかけた。
千「そっか…それじゃあ、今日から俺の妹だ!
立花A!どうだ?」
「……、私の名前?」
千「あぁ!」
よしよしと頭を撫でてくれたのが……私の義理の兄で、そして師匠である。
?「立花〜、早くしろよー!」
千「!……悪い、また来るからな。待っててくれ」
「……うん」
師匠は、誰かに呼ばれて去っていってしまった。
私が貰ったこの名前は、自分の心に留めていた。
取られたくない大切なものだったから。
白「Aちゃん!遊びに来たよ〜!」
「
師匠が来るようになってからは、家を抜け出して、白鬼さんも遊びに来ていた。
白「今日は、勝負しようよー!」
「今日はじゃなくて今日もでしょー?」
白「いいじゃん!やろうよー!」
私への虐待が無くなった訳では無い。
むしろ悪化していた。
でも……家にいないこの間だけはすごく、私の心の落ち着く時間だった。
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作者名:Rukapyon | 作成日時:2023年11月10日 18時