嫌いな貴方を落とします【シンタロー】

２３話 ページ23

あ「はぁ…。」


放課後。

皆が下校した後に

私はバイト先に行った。

時給はまぁまぁのファミレスだ。


店長「あら〜！Aちゃんじゃない！」

あ「あ、店長！」


店長はとても気さくで優しい人だ。

しかも女性！

可愛いし

接客の対応も完璧な

まさに店の鑑のような人だ。


店長「じゃあ早速、接客に行こっか！」

あ「はい！」


シンタローとの事はひとまず忘れて仕事仕事！

…と思っていたのですが


ｶﾞｯｼｬｰﾝ


あ「ぎゃぁぁぁっ！？」

店長「Aちゃん！？」

あ「ご、ごご、ごめんなさい！」

店長「怪我はなかった！？」

あ「は、はい…。」


仕事に力が入らない。

やっぱり気にしてしまうんです。

シンタローの事を。

好きだから。

好きって気付いちゃったから…

だから仕方ないと思うんです。

だけどこのままじゃ…




『クビ』




その言葉だけが浮かび上がってきた。

それだけはマズイ。

回避しなくてはならないと思い、私は

テーブルを拭いたり

床の掃除をしたりなど、

数々の雑用をこなしていくことにした。


あ「これならなんとか…！」

店長「Aちゃん、凄いわね〜！一人でやったの？」

あ「あ、はい…。」

店長「こんなに綺麗にできる人そうそういないわよ！正社員にならない？」

あ「いや…。学生なんで、それはちょっと…。」


とにかく

店長のウケも上々のようなので

このバイトを続けてみようかなと思った。

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