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12:松下村塾へようこそ ページ13

「おい、そこの童共。こんな夜更けに何をやっている」

三人に役人は向かってくると提灯の明かりを向け照らした。

「松下村塾吉田松陽が弟子坂田銀時」

「同じくAA」

「同じく高杉晋助」

「「「参る」」」

三人は同時に足を踏み出すと役人達に向かって駆け出した。

「何なんだこのガキ共」

竹刀と木刀をそれぞれ構え、向かって来た三人に役人は腰に下げた剣に手をかける。

「抜かないでください」

静かな夜に凛とした声が響きその場にいた全員が動きを止める。

「そのままそれを納めて頂きたい。両者ともどうか私に抜かせないでください」

「吉田松陽…!」

その声の持ち主を腰の剣に手を添えたまま役人は振り返る。

「貴様!」

「私のことを好き勝手吹聴するのは構いません」

そんな役人のことはお構い無しに松陽は役人達の間を歩いていく。

「目障りならどこへ成りとも出ていきましょう。ですが」

松陽は優しかった声を低くすると

「それを私の教え子たちに向けるのならば、私は本当に国家くらい転覆しても構いませんよ」

眼光を鋭くさせ役人共を睨みつける。

その様子に役人共は戦き、情けない声を上げて逃亡して行った。

それを見ていた三人は役人の姿が見えなくなると松陽の方へ向かう。

「松陽…」

「やれやれ、教え子はみんな家に返したつもりでしたがこんな所にもまだ残っていましたか、悪ガキ共が。でも、すみません。道場破りさん。破るにも、もう道場も学び舎も無くなっちゃいました」

ニッコリと微笑み言う姿は先程の凄んでいた面影も何も無い。

「心配いらねぇ俺が破りてぇのは道場じゃねぇ。アンタだよ、松陽先生」

「我らにとっては先生が居るところならば野原であろうと畑であろうと学び舎です」

「それにアンタの武士道も俺らの武士道もこんなもんで折れるほどヤワじゃないだろ」

三人の言葉に松陽はゆっくりと目を閉じると穏やかな顔になる。

「銀時、こりゃまた君以上に生意気そうな生徒を連れてきたものですねぇ」

「そうだろ」

穏やかな顔をして銀時を覗き込む松陽に少し自慢げに、だけど適当にそう銀時は返す。

「そうですか。では早速路傍で授業を一つ」

松陽は人差し指を立てるとニコリと微笑む。

「半端物が夜遊びなんて100年早い」

そしてそう言うと三人の頭に例のごとく拳骨を下ろした。

「松下村塾へようこそ」


ーー

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茉莉(プロフ) - 宇治さん» めちゃくちゃ返信遅くてすみません!宇治さん、ありがとうございます!! (2019年5月5日 22時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - こんばんは、宇治です。女の子要素無しの夢主、良いじゃないですか…!!好きです。とても。更新頑張ってくださいね!応援してます! (2019年4月15日 0時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 赤蛮奇さん» ですよね!幼少期はみんな可愛いですけど高杉の可愛さは異常…!ありがとうございます (2019年4月4日 12時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)
赤蛮奇 - 幼少期高杉ヤバイですよね!アレはもう犯罪級ですよね!更新頑張ってください楽しみにしてます! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 2a668a49bb (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - (о´∀`о)さん» ありがとうございます! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 51e720f33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉 | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2019年3月24日 9時

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