攘夷戦争篇 1:交わした約束 ページ14
「…懐かしいなぁ」
Aは桐の箱からつまみ細工の髪飾りを取り出すと手に取った。
汚れたらもったいないとほとんど使わずにずっと箱に仕舞われている。
松下村塾が燃えてしまった時に例の缶とこの箱はかろうじて燃え残っていた。
「木の箱なのによく燃えなかったよね」
「紗夜ちゃん」
「また物思いにでも耽ってたの?明日からはちゃんと寝れるか分からないんだから早く寝なよ」
明日から____
明日からA達は戦場に赴くことになる。
「本当にAちゃんも戦うの?」
「うん。足を引っ張っちゃうかもしれないけど、あの3人の隣に居たいから」
攘夷戦争に参加するとなった時、かつて松下村塾に通っていたほとんどのメンバーがまた集まった。
松陽が捕まってしまったことでみんなバラバラになってしまっていたが新たなメンバーも追加し再び集まったのだ。
「そう。Aちゃんは綺麗に、そして強くなったんだね」
最後に紗夜がAに会った時は松陽が消えてとても狼狽え、3人に支えられていた。それが今ではその3人を支えようとしている。
紗夜はAの近くに座るとそっと手を握る。
「私達は一緒に剣を振るうことは出来ないけどみんなの助けになれるように頑張る。だから必ず私にただいまって言って。おかえりって返すから」
「紗夜ちゃん…」
「私達がみんなの帰る場所を守る」
Aは紗夜の手をそっと握り返した。
「私も約束する。絶対にただいまって言うから!」
2人は顔を見合わせると微笑んだ。
ー
ーー
あれ、松陽居なくなった時とその後の話ないの?!って思った方。許してくだせェ
そこら辺の描写は原作コミックスでもされていないし(私の記憶の中では)謎に包まれているので変に想像で書くよりそのままにしておきたかったんです。
なぜ攘夷戦争時代の鬼兵隊は結成されたか…とかね?書いてよゴリラ作者ぁああああ!
史実と結構鬼兵隊の事実違うからさぁ分かんないんだよ〜高杉ちゃんと最後まで総督してんじゃん?実際は数ヶ月で解任されちゃってるから!
という作者の心の叫びでした。
攘夷戦争時代のお話はオリジナルのも結構ぶっこみますのでお楽しみに。
いい加減高杉と夢主をイチャコラさせたい(苦手)
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