其の九十八 ページ4
「監視しながらで構わないか?」
森「勿論どうぞ?」
「…Aが地下についた。扉を開け、部下からナイフを受け取った。何を言っているかはよく分からないが、ナイフを持ちながらドストエフスキーに近づいた。」
ああ、こいつこんな顔しているんだな…覚えたぞ
片目に映像、もう片目に天井を見て続きを云う。
「Aがナイフで拘束具を切った…部下に怒鳴り、部下がドストエフスキーの衣服と何か飲み物を持ってきた。葡萄酒か…美味そう」
紅葉「本音が漏れとるぞ」
「すまん」
Aとドストエフスキーが札遊戯を始めた。
会話をしながら、Aがダイヤのストレートフラッシュで勝った。
「…『私と手を組まないか』」
Aの声帯を模写し、何とか読み取れた言葉を伝える。
森「おや…」
紅葉「何じゃと…?」
「!!…成程な…Aは森さんの首を獲るつもりらしい」
森「君、声帯模写上手いねえ?もっとやって」
紅葉「後じゃ後。早う続きを云わんか」
「うえ、え、おう、…あ、Aが瓶でドストエフスキーを殴った」
痛そう、と云うと当たり前だと返された。
痛いのはやっぱり嫌だよな。
「これは…Aの異能…?部下が1人倒れて、Aの手から宝石が零れ落ちた」
森「声帯模写はまだかい?」
紅葉「後じゃと云うておるじゃろ」
「Aが出てった」
森「声帯模写は?」
「『落ち着いてくださいよ森さん…疲れるんですよこれ』」
森「太宰君だね?よく似てるよ」
「太宰と女性の声が一番疲れる」
森「もういっそウチで働かない?」
ねえー、と甘えるように森さんは云うが、とりあえず無視した。
しかしまあ…Aもついてないな。
部外者の俺に計画をバラされるんだから。
「俺から聞いたってのは内密に。まだ死ぬつもりはないからな」
森「わかってるよ、紅葉君もいいね?」
紅葉「恩人を売るような事はせん…幾つか願いを聞いてもらうがのう?」
何だか嫌な予感がする…
こういう時のは当たるんだよなぁ…
「仕事関係で頼む…」
森「そうだね…そうしようか」
紅葉「取引成立じゃな」
流石マフィア…口が巧い。
よーし…お仕事頑張るぞ…
森「もう1回声帯模写やって?」
「『もう勘弁してくれ…』」
森「おお、中原君!」
紅葉「巧いのう…」
よしよしと撫でられる。
もう帰りたい。助けて治…厄介な人に捕まった…
二人に解放されたのはそれから五時間後の事だった。
158人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冷たい人 - 面白いです!!!めちゃ大好きです! (2023年4月17日 22時) (レス) @page13 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!でもこれで終わりですか?続きが読みたいです! (2018年4月8日 0時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - 最初から読ませてもらっています!これで終わりですか?続きがきになるので、更新待ってます! (2018年2月4日 22時) (レス) id: d334659998 (このIDを非表示/違反報告)
Dear(プロフ) - 栗さん» 返信遅くなりましたすみません!ありがとうございます!頑張ります! (2017年7月3日 21時) (レス) id: fdc14bf096 (このIDを非表示/違反報告)
栗 - 楽しく読ませてもらってます。これからも更新頑張ってください! (2017年6月23日 3時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Dear | 作成日時:2017年4月19日 21時