俺の敵. ページ20
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｢また転びそうになられても困るから！
だから早く手ぇ出して！さっさとしろ！｣
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うそ。
ただお前に触れたいだけ、手ぇ繋ぎたいだけ
これを素直に言えねぇ自分に腹立つ
まじなにやってんだろ俺。こんなにちきんだったっけ
こいつといる時いつもいつも俺が俺じゃなくなるし、誰のせいだと思ってんの！
｢じゃあ、小指だけ｣
そう言って俺の小指を絡めてくるこいつに、
心の底から殺意湧いた。なんなのこいつ！
小指だけって、普通に手ぇ繋ぐより恥ずかしいもんじゃねぇの？それを簡単に出来るって俺、相当こいつに意識されてねいよね？！
…………………………自分で言ってて虚しくなってきた。
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｢あ、一也先輩から電話｣
そう言って電話に出るAに腹が立つ
いや違う。電話をかけてきた一也に腹が立った
なんなの？一也とAってそーゆー関係？
そーいえば今日の俺の試合も2人で見に来てたし、
俺とAが話してる時の一也、怒ってたようにも見えたし
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……へぇー、なるほどね。
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｢お前もかよ、一也｣
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結局、俺たちは同じ女に関わる
中学の時もそーだったよなー。
お前の彼女に好きとか言われるし、まじ意味わかんなかったわあいつ
でも今回は全然違う
こいつは誰のものでもない。
俺が初めて欲しいって思ったやつ
…だから一也、俺だって手加減なんてしないよ。
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｢あっれぇー！一也！やっほ！｣
俺はAから携帯を奪った。
一也は｢なんでお前が電話に出んの？｣とか思ってんだろーなー！
俺、1歩リードじゃない？！
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《あれ、鳴、何してんの？Aの携帯で》
《いや何してんの？ってなに？！》
《つーかお前の今日のピッチング、なんであそこキャッチャーのサインに首振ったんだ》
《あーもう！うるさいなあ！電話でも俺のピッチングぎゃーぎゃー言うのやめて！これからこいつとデートしてくるんだから！》
ムキになって言うとAが携帯を取り上げ、
《誤解です！誰がこんな、んっんー》と言って俺を睨みつけた
なんだよ、なんだよその目は！その咳払いなんだよ！ムカつくけど可愛いな！！！
話し終わったのか電話を切り、再び歩き出す。
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｢わがままプリンス｣
ぼそ、っと呟いたこいつ
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やっぱりこいつ可愛くねぇ！
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作者名：りた。 | 作成日時：2018年9月30日 18時
