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第16話 ページ18

Aside




黄蘭「一言多いねん阿呆が…」



そう黄蘭さんが呟いたのを、朱咲さんは聞き逃さなかった。



朱咲「誰が、阿呆だって?」



目を細め、うっすらと笑みを浮かべる朱咲さん。だが、目は決して笑ってはいない。
少しだけ覗く目が、威圧感を醸し出している。



朱咲「お前が依頼先で起こした不祥事を片っ端から片付けてやってるのは、一体どこの誰だろうな?」



朱咲さんは黄蘭さんとの距離をどんどん縮めていく。
コツ…コツ…と歩く度、周りにある黄色や朱色の妖気が朱咲さんの周りに集まってくるのが分かる。



朱咲「いつもいつも、俺やあいつに迷惑かけて。お前はどこのお嬢様を気取っているんだ?」



圧迫感のある話し方に、黄蘭さんだけでなく私まで冷や汗のようなものをかいてしまう。

そして朱咲さんの元へ集まった妖気はだんだんと人型になり、とうとう二つの妖気の塊ができた。


黄色の妖気は慰めるように朱咲さんの頭を撫でている。
朱色の妖気は朱咲さんの腕に抱かれている。

時々揺れ動くその様子は、まるで生きているようだった。



朱咲「俺の能力は、[情報収集]を得意とする。
依頼者の身辺からお前の不祥事まで、しっかり俺の頭に入ってくることを忘れるな。」


黄蘭「……あい」



せめてもの反抗と言わんばかりに朱咲さんから目をそらし頬を膨らませながら不満げに返事をする。

それを聞き届け、朱咲さんが元の場所に戻ろうとくるりと背を向けた瞬間、思い出したように呟いた。



朱咲「あぁそれと、俺は能力以外で耳がいい。
少なくともこの建物内で話した会話は聞きたくなくても鮮明に聞こえるから、愚痴なら、もっと、遠くで言った方が身の為だぞ。」



妖しげに笑いながら冷たい視線を黄蘭さんに向ける。


黄蘭さんは小さく悲鳴をあげ、身震いをした。




___この人は、敵に回さないでおこう___




私はそう決心した。

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設定タグ:妖怪 , 半妖 , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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十眠蜂九(プロフ) - こんにちは( ´∀`)σ)∀`) (2017年12月19日 22時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ - (‘*‘) (2017年5月30日 20時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - 新キャラ出ました!雨竹 葵(アマタケ アオイ)君です!白黒なのに葵という名前の意味は次回...! あと更新が非常に遅くなってすみません!完結も更新停止もしてませんからねー!! (2017年2月12日 14時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ(プロフ) - 御伽さん» なるなる (2016年10月29日 19時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - ちさてぃさん» あのね、元々アナログで描いてたのを線画輸出して修正して色付けて編集してってしただけだからそんなに時間かからなかったの (2016年10月28日 23時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冰鬆葉 | 作成日時:2016年7月25日 19時

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