半妖少女と蒼い蝶

第１５話 ページ17

Aside




『この地図、微かに妖気が込められてる…』




青淋さんから貰った小さな地図から微かに青色の妖気を感じた。

まあ、感じたというよりかは見えているのだが。




『これは何処への地図だろう？』




目的地まで分かるようにしっかり書いてある。が、目的地の名前やどんな場所かは書かれていない。



正直言うと、すごく不安だ。





『ここで悩んでてもしょうがないし、取り敢えず行こう』





誤ってシワを付けてしまわないように、そっと地図を持つ。




『あ、よくよく考えたらローファーのままだ…』




着物に合っているとはとても言えない。
何か代わりのものはないのかと玄関口に行き探してみる。
すると隅の方にあまり使われていなさそうな黒い下駄を見つけた。




『今だけなら大丈夫…だよね』




さっとさっきまで履いていたローファーと履き替え、逃げるようにして店を出る。

下駄が地面と当たる音がとても心地いい。

私はそのまま下駄を鳴らしながら目的地に向かった。




『ここ、かな？』




私の頭上には、古いがとても丁寧に磨かれている看板。
その看板には【妖花屋】と書かれている。




『妖花屋？お花屋さんかな？』




妖の花を売っている店。と私は捉えたが、実際そうではなかった。




『失礼しまーす…』


？｢はーい…ってあんた、さっき翠瓏と一緒にいた！｣


『お、黄蘭さん？！』




ゲッ、と思ったわけではないが凄く驚いてしまった。
その理由は




『なんで御札なんておでこに貼ってるんですか…？』




そう。
黄蘭さんは額に御札のようなものを貼っていたのだ。
御札には崩していて読めないが、何やら漢字が書いてある。




黄蘭｢これは護符や護符！今は仕事中やからつけとるんよ！｣


『そうなんですか…』


黄蘭｢せやせや！ここに来たってことはなんか依頼があってきたんやんな？｣


『い、依頼？』


朱咲｢どうせあの小童にここにこいと言われてきたんだろ。｣



店の奥からひょいと出てきてため息をつき、呆れ顔で黄蘭さんを見る朱咲さん。



黄蘭｢あぁー青淋にか！！そない言うてもうちはあんたみたいな能力もっとらんのやから分かるわけないやろ？｣


朱咲｢俺は能力を使ってない。勘で言っただけだ。｣



こんな分かりきったことに能力を使うほど無能じゃないからな。
と言葉を付け足す。すると黄蘭さんは少し怒気の混じった声で小さく呟いた。



黄蘭｢一言多いねん阿呆が…｣

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