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第17話 ページ19

Aside




『あ、あのぅ……』


朱咲「ん?どうした?」




黄蘭さんと詰め寄った時とは全く違う優しい笑顔を浮かべる朱咲さんだが、そのギャップが余計に怖さを引き立てている。

口角が引きつりそうになるのを必死に抑えながら微笑む。




『では、私はこれで失礼しますね』




そう告げると黄蘭さんは必死になりながら私のところへ駆け寄った。




黄蘭「ちょっ、ちょちょちょちょい待ちい!せっかく来たんやから店の中とか従業員、それと業務内容くらい紹介させてーや!!」




そう言いながらも黄蘭さんの目は違うことを語っていることがひしひしと伝わってくる。


「見殺しにする気かあんた!!」


とでも言っているような目だ。




『そ、そんな…ご迷惑でしょうし』




逃げ出すための口実……まあそれも少しは入っているが、迷惑と思っているのは事実だ。




朱咲「別に迷惑じゃない。ちょうど依頼もほとんど済ませてあるし、見学したいのならすればいい」


黄蘭「ほら、朱咲もこう言うてるし!な?!」


『…では、お言葉に甘えて』


黄蘭「よっしゃ!じゃあ他の従業員と、職務内容とかも教えたろ!こっちきい」




ちょいちょいと手招きをする黄蘭さん。
部屋の前にかかっている看板を見ると、[事務室]と書いてある。




『失礼します』



ギィ……と少し音を立てながら開く古い木製のドア。

大きな窓に少しだけ高い天井。

いくつか置いてある机と椅子はほとんど同じもので、それぞれの机の上は整理整頓してあったり、物が沢山置いてあったりと、個人個人の性格がにじみ出ている。


その中の書類が散らばっている机に近づいてみる。
すると椅子のところに胴体の真ん中の部分でちょうど白と黒に分かれている、バクのような模様の猫がいた。




『わぁ、可愛い!黄蘭さん、猫飼ってるんですか?』


黄蘭「あぁ、それは従業員!」


『この猫ちゃんがですか?』


黄蘭「うーんと、そいつは獣人族って言ってなぁ…一応猫と人間と二つの姿を持っとんねんけど」


『けど?』

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設定タグ:妖怪 , 半妖 , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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十眠蜂九(プロフ) - こんにちは( ´∀`)σ)∀`) (2017年12月19日 22時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ - (‘*‘) (2017年5月30日 20時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - 新キャラ出ました!雨竹 葵(アマタケ アオイ)君です!白黒なのに葵という名前の意味は次回...! あと更新が非常に遅くなってすみません!完結も更新停止もしてませんからねー!! (2017年2月12日 14時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ(プロフ) - 御伽さん» なるなる (2016年10月29日 19時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - ちさてぃさん» あのね、元々アナログで描いてたのを線画輸出して修正して色付けて編集してってしただけだからそんなに時間かからなかったの (2016年10月28日 23時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冰鬆葉 | 作成日時:2016年7月25日 19時

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