第2話 ページ3
Aside
『…ん』
淡い光を感じ、ふわふわと漂う意識をしっかりとしたものに変える。
少しばかり冷たい空気が肌に触れ、とても心地良い。
そしてぱっと目を開けるとそこは___________
『……っ、ここ、どこ…?』
妖が蔓延る世界だった。
『と、りあえずここから出ないと……っ』
地面に手をつき立ち上がろうとすると、二の腕に鈍い痛みを感じ、二の腕に目を向けると握りこぶしくらいの痣ができていた。
『なんで痣なんか…』
ますます訳が分からない。
何故私はここにいるのか。
何故私は怪我をしているのか。
何故私はこんなにも不幸なのか。
痣をきっかけに、悲しい感情が心の底からどんどん湧き出てきて止まらなくなる。
怖い
怖い
怖い
怖い
「なんだお前、泣いているのか?」
誰?
『……えぇ、とても怖くて、涙が溢れてきてしまうんです…』
これがもし夢だとすれば、全てこの夢で吐き出してしまえばいい。
『何で私はこんな目に合うのか、分からなくって』
我慢する必要なんて
欠片もない。
『大体っ、何で父さんは私を殺そうとしたの…?!!私が邪魔だったんなら私を産まなきゃ良かったのに!!!!母さんもっ私を庇わずにいれば死ぬことなんてなかった!!私のせいで母さんが死んで父さんもいなくなったから、きっと玖和も、私を恨んでる…っ』
ボロボロと言葉が溢れ出てくる。
今までずっと思ってた言葉、今までずっと言いたかった言葉が。
『っごめんなさい…本当にごめんなさい…』
?「はぁ、怒鳴り散らしたと思ったら今度は謝罪か?ずいぶんと勝手なやつだな。」
『だってここは私の夢だもの。私の夢なら勝手にしたっていいじゃない』
?「お前の夢ならそうだな。だがここはお前の夢じゃない。」
「お前の、現実だ。」
は?
これが、現実?
『嘘でしょ…?こんな世界、現実にあるはずない…』
?「お前にこんな馬鹿みたいな嘘をついてどうするんだ。これは現実だと言っているだろう。」
『そんな……』
___じゃあ、千夏にも皆にも会えないの?
___そうだな。お前がいた世界には帰れない。
自分のしている会話がとても遠くで話しているように聞こえる。
もう嫌だ。
これ以上、何も失いたくない。
ぐらっと自分の体が傾いた後、私の見ていた世界は暗転した。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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十眠蜂九(プロフ) - こんにちは( ´∀`)σ)∀`) (2017年12月19日 22時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ - (‘*‘) (2017年5月30日 20時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - 新キャラ出ました!雨竹 葵(アマタケ アオイ)君です!白黒なのに葵という名前の意味は次回...! あと更新が非常に遅くなってすみません!完結も更新停止もしてませんからねー!! (2017年2月12日 14時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)
ちさてぃ(プロフ) - 御伽さん» なるなる (2016年10月29日 19時) (レス) id: 4998cd34df (このIDを非表示/違反報告)
御伽(プロフ) - ちさてぃさん» あのね、元々アナログで描いてたのを線画輸出して修正して色付けて編集してってしただけだからそんなに時間かからなかったの (2016年10月28日 23時) (レス) id: db9f641ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冰鬆葉 | 作成日時:2016年7月25日 19時