【あんスタ】不撓不屈の、心を掲げよ。(2)

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「......乙狩、あんたに頼みたいことがある」


転校して来て、約1ヶ月が過ぎた某日。


2限前の休み時間、廊下でたまたますれ違った乙狩を引き止めて人目のない空き部屋に入った。


ちょっとばかし埃っぽいな、この部屋。


「？わかった、何をすればいいんだ」


ふたつ返事かよ...と思いつつ、内容を告げる。


今日、あんずとすみれに会いに行く。


そんときに、乙狩には一緒に居てほしいんだ。


それをすれば、乙狩があたしについたってバレるのはわかってるが、誰かに居てもらわねぇとまともに話も出来ねぇからな、多分。


「＿＿＿んで、あたしに何かしようとするヤツがいたら、そいつを止めて欲しい。」


「榛名を護ればいいんだな」


「ま、そういうことだ。あんたがいねぇと話が進まねぇだろうし。場所は変えるけどな」


「目的を持って誰かを護ろうとするのは初めてだ。全力を尽くそう、他には大丈夫か？」


心做しか頬が緩んでいる乙狩に、何かあったらその場で言うわと返して解散した。


会うのは昼休み。


乙狩が1Bに来てくれるらしい、それを待って2年のフロアに行く。


あんずのところはどうせあのオレンジ頭がいんだろうな。


あいつ、見た目はいいのにそれに反して中身が暴力的なんだよな。


ほぼ初対面でバケツ投げてくんだぜ？素手でやりあう気がねぇんなら引っ込んどけって思うんだけどな。


そのへんの弱いヤツいじめてるヤツと変わらねぇよな、あたしは弱くねぇけど。


男なら素手で挑んで来い、ってな。

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