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確かに、脱走したあの夜に扉間に涙ながらに訴えはした。
その時私が想像していたのは、私のお願いに対して扉間が応える、という図式だったのだが。
最近の扉間は、私に｢何が欲しい｣｢あれは欲しくないのか｣｢こういうことをしてみないか｣、とあれこれ積極的に提案してくるようになったのだ。
また、たまに何気なくぼーっと眺めているとそっぽを向いたり、どこかへ行ってしまう。
顔を近づけたり、身体に触れたりすることを避けるようになった。
これは…腫れ物扱いされているのだろうか？
男の人というのは、全く不思議な生き物である。
私の隣で美味しそうに鍋をはふはふと食べているあたり、彼は私を嫌っている訳では無さそうだが。
ーーー
いつもより沢山食べて、いつもより沢山話して、いつもより沢山笑った。
食べ終わった食器を片付けて、扉間が帰ろうとした時には、寂しさが込み上げてきた。
また、一人ぼっち。
｢ねぇ、扉間｣
｢どうした｣
行かないで、と言ってみたい。
が、何となく言うのがはばかられた。
17の娘が、年頃の青年を夜に引き止めるのは如何なものか。
だが、いつもいつも寂しい思いをして夜を過ごしていた私は、勇気を振り絞って口を開いた。
どうせ私はもう死んでいる。
｢そんなこと｣は、さすがに起きるまい。
｢寂しいの。もう少しだけ、お話していたい｣
｢…｣
扉間の動きが、止まった。
やはり、考えるところがあるのだろうか。
｢…分かった｣
彼の指が、素早く印を結んだ。
ボフン、と煙があがって、出てきたのはもう1人の扉間。
｢分身をここへ置いていく。…あまりここに長居しすぎて、Aに会っていることを誰かに知られては大変だからな｣
そう言って、本体は足早に部屋を出てしまった。
が、分身が椅子に腰掛けながら私に話しかけて来た。
｢さてA、何か話そうか｣
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東雲(プロフ) - ifzwegvさん» 年単位の亀更新ですみません…コメントありがとうございます。無理のないペースで更新いたしますので、たまに覗いてみてくださいませ。 (4月10日 12時) (
レス) id: 13c0e18287 (このIDを非表示/違反報告)
ifzwegv(プロフ) - 更新されてたー!! 当時から読んでいたのでとても嬉しいです。続きを気長に待ってます!! (4月1日 19時) (レス) @page40 id: e064c3839e (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - 続き気になります‼頑張ってください‼ (2022年12月18日 0時) (レス) @page29 id: 76ae9f90b3 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 資格試験が今週でひと段落する予定ですので、終わったらまた2日に1回くらいのペースで更新します(願望) (2022年10月8日 17時) (レス) id: 7383fa8b56 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 黒渦クレナさん» うわー！前作も読んでくださったんですね、ありがとうございます！今プロットを大幅に書き直しているところです。お楽しみに！ (2019年5月26日 0時) (レス) id: 3a02b4e62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲 x他2人 | 作成日時：2018年8月23日 20時
