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予想もしなかった扉間の行動に、固まる私。

「すまない」

その声は、反省の色を帯びていた。

「オレは術や戦のことばかり考えて…Aのことまで配慮してやれなかった。すまない」
「…うん」

何だかよくわからないが、私に気遣ってくれるつもりらしい。
プライドは高そうだが、頭は柔軟なようだ。
扉間の暖かい体温が、衣服をとおして伝わってくる。
鼓動も、伝わってくる。
ああ、彼は、生きているんだ。

「A」

声をかけながら、扉間がガバッと起き上がった。
そして、私に手を差し伸べる。
意図が読めないまま手をとると、ぐい、と起こされた。
そのまま、大きな手が私の服についた土を丁寧に払ってくれた。

「怖い思いをさせてしまったな、すまない。…Aに、見せたいものがある」
「見せたいもの?」

首を傾げた私の肩に、扉間が手を置いた。
一瞬の間に、景色がまた変わった。

月の光が、海面に映し出されて、揺らめいている。
静かな、波の音が聞こえてきた。
辺りは、一面の白い砂浜だ。
その陸側はというと、高い崖になっている。

「秘境だ。ずっと前に見つけてな。1人でゆっくり考え事をしたい時にたまに来れるよう、飛雷神のマーキングを施していた」

どうやら、扉間の秘密基地に、連れてきて貰えたらしい。

「そうなんだ。飛雷神っていうのは、瞬間移動するこの術のこと?」
「ああ。予めマーキングをする必要がある術だが、使いこなせばこれ程便利な術もないぞ」
「もしかして、扉間が私のご飯を届けてくれる時も、飛雷神を使ってたりするの?」
「まあな。彼処は本当に辺境の地だからな。」
「…忍って、凄いんだね」

そう言って笑いかけると、扉間が真剣な目で此方を見つめていた。
しばしの、沈黙。

「…何?」
「…いや、何でも。帰るぞ。外出について、決まりを作ることにしよう」

扉間が、私の肩にまた手を置く。
私は美しい月光と海に後ろ髪を引かれながら、彼に身を委ねた。

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設定タグ:NARUTO , 千手扉間   
作品ジャンル:恋愛
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東雲(プロフ) - ifzwegvさん» 年単位の亀更新ですみません…コメントありがとうございます。無理のないペースで更新いたしますので、たまに覗いてみてくださいませ。 (4月10日 12時) (レス) id: 13c0e18287 (このIDを非表示/違反報告)
ifzwegv(プロフ) - 更新されてたー!! 当時から読んでいたのでとても嬉しいです。続きを気長に待ってます!! (4月1日 19時) (レス) @page40 id: e064c3839e (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - 続き気になります‼頑張ってください‼ (2022年12月18日 0時) (レス) @page29 id: 76ae9f90b3 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 資格試験が今週でひと段落する予定ですので、終わったらまた2日に1回くらいのペースで更新します(願望) (2022年10月8日 17時) (レス) id: 7383fa8b56 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 黒渦クレナさん» うわー!前作も読んでくださったんですね、ありがとうございます!今プロットを大幅に書き直しているところです。お楽しみに! (2019年5月26日 0時) (レス) id: 3a02b4e62c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲 x他2人 | 作成日時:2018年8月23日 20時

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