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35(しぼうシーンあり。閲覧注意) ページ36

早く。早く。
もっと早く。

私は息も絶え絶えになりながら、走り続けた。
血の気が引いた顔は、誰がどう見ても異常事態であった。
千手一族の別邸を飛び出た私は、まっずぐ里の門へと向かっていた。

扉間。
扉間…!

門の前に人だかりができている。
医療班が駆け付けたようだ。
その中心に、扉間が横たわっている。
大量の出血。
身体から力が抜け、周囲の呼びかけに対しても応答がないようだ。
この光景を見るや否や全身から血の気が引いて、感覚のない手はひとりでにわなわなと震えていた。

「扉間…!」

駆け寄ろうとする私を、追ってきた千手一族の付き人に羽交い絞めにされ、物陰へと移動させられた。

「A様。それ以上は近づいてはなりません」
「どうして!離してよ!」
「あなたの存在は国家機密です。二代目様も、あなたがあそこへ出て行かれるのを望んではいらっしゃいません。あなたも含めたみんなを守るために、お1人で囮役を引き受けられたのでしょう」

付き人の言うことは、理解できる。
優しくて、里の人を大切に思う扉間のことだ。
私が危険にさらされるようなことを望んではいない。

これほど、自分の力のなさを呪ったことはなかった。
私は足元から崩れ落ち、ぼろぼろと涙をこぼすしかできなかった。

---

雲隠れとの和平協定を結ぶため旅立った扉間小隊は、
金閣銀閣のクーデターに遭い、扉間を囮として里に帰還した。
扉間は大人数を相手に苦戦を強いられたがなんとか逃走に成功した。
全身は傷だらけになり、呼吸も弱弱しい。
昼夜大勢の医療忍者たちが扉間を囲み、必死で治療を続けている。
扉間小隊の面々も、千手一族の者たちも、ずっと扉間の部屋の近くで待機を続けている。

やがて扉間が意識を取り戻したという情報が入った。
聞けば、猿飛ヒルゼンを三代目火影に任命し、1日のうち意識が戻る数時間のうちに少しずつ業務の引継ぎまで行っているのだという。

私が扉間に面会できるようになった時には、彼は既に衰弱しきっていた。

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設定タグ:NARUTO , 千手扉間   
作品ジャンル:恋愛
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東雲(プロフ) - ifzwegvさん» 年単位の亀更新ですみません…コメントありがとうございます。無理のないペースで更新いたしますので、たまに覗いてみてくださいませ。 (4月10日 12時) (レス) id: 13c0e18287 (このIDを非表示/違反報告)
ifzwegv(プロフ) - 更新されてたー!! 当時から読んでいたのでとても嬉しいです。続きを気長に待ってます!! (4月1日 19時) (レス) @page40 id: e064c3839e (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - 続き気になります‼頑張ってください‼ (2022年12月18日 0時) (レス) @page29 id: 76ae9f90b3 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 資格試験が今週でひと段落する予定ですので、終わったらまた2日に1回くらいのペースで更新します(願望) (2022年10月8日 17時) (レス) id: 7383fa8b56 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 黒渦クレナさん» うわー!前作も読んでくださったんですね、ありがとうございます!今プロットを大幅に書き直しているところです。お楽しみに! (2019年5月26日 0時) (レス) id: 3a02b4e62c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲 x他2人 | 作成日時:2018年8月23日 20時

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