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2代目火影に就任した扉間は、以前にも増して多忙を極めていた。
先代の柱間が創り上げた里を発展させていくのが、彼の役目であった。

扉間は連日にわたって、若者への教育制度についての打ち合わせ、各忍里との会議、新術の開発、うちは一族への対策会議などをこなし、目まぐるしい日々を送っていた。
Aと過ごす時間はほとんど取れていなかった。

Aはというと、対外的にはその存在を知られてはいなかったものの、千手一族の中では実質火影婦人のような、手厚い待遇を受けていた。
見た目はまだあどけない少女であるが、長年積み上げてきた知識や彼女の生前の経験は、木の葉の法体系や後進の教育に関するアドバイザーとして大いに役立った。
さすが、扉間の研究室や火影邸の資料室に篭って、片っ端から本を読み漁ってきただけはある。
最近は多少の医療の知識や科学の知識も身につけ始め、必要とあらばあの扉間の実験に意見することも出来るようになってきた。
Aの意見を聞く時の扉間はこの上なく嬉しそうで、たわいのない会話をする時間は十分にとれなくとも、それが2人の貴重な交流の時間となっていた。

いつの間にかAと扉間は、「理想の夫婦」と噂される仲にまでなっていた。
男尊女卑の蔓延る古い時代に、お互いに自立し社会的な役割を全うしながらも、支え合っている男女は大変貴重であったからだ。

---

扉間と私は、傍から見れば仲睦まじい。
しかしこの頃の私は、扉間に対して心理的に距離を置くようになった。

生前の記憶が、長い年月をかけて断片的に蘇ってきたのだ。

『またね、A』

あの声の主は、私の初恋の少年であった。
幼い頃から仲良くしてくれて、食べ物に困った時は分け合って、身体の大きな男に絡まれた時は助けてくれて。
兄のような存在だった。

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設定タグ:NARUTO , 千手扉間   
作品ジャンル:恋愛
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東雲(プロフ) - ifzwegvさん» 年単位の亀更新ですみません…コメントありがとうございます。無理のないペースで更新いたしますので、たまに覗いてみてくださいませ。 (4月10日 12時) (レス) id: 13c0e18287 (このIDを非表示/違反報告)
ifzwegv(プロフ) - 更新されてたー!! 当時から読んでいたのでとても嬉しいです。続きを気長に待ってます!! (4月1日 19時) (レス) @page40 id: e064c3839e (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - 続き気になります‼頑張ってください‼ (2022年12月18日 0時) (レス) @page29 id: 76ae9f90b3 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 資格試験が今週でひと段落する予定ですので、終わったらまた2日に1回くらいのペースで更新します(願望) (2022年10月8日 17時) (レス) id: 7383fa8b56 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 黒渦クレナさん» うわー!前作も読んでくださったんですね、ありがとうございます!今プロットを大幅に書き直しているところです。お楽しみに! (2019年5月26日 0時) (レス) id: 3a02b4e62c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲 x他2人 | 作成日時:2018年8月23日 20時

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