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ぎい、という足音と共に、どこか懐かしい香りがふわっと香る。
火影邸の書庫。
度重なる戦争を経ても人の手から手へと渡り歩いてきた重要な書物たちが、多く眠る場所。
扉間がかつて言っていた。
戦争が終わった今、書物は次の新たなる武器となる、と。
そのため、残存するありとあらゆる書物を保存する事業や、各一族に語り継がれてきた物語、知識、歴史などを編纂する事業を進めている。
火影邸のこの書庫も最初は千手一族とうちは一族が保存していた文書のみを保管していたが、各関係者からの承諾や上記の編纂事業等を経て、今ではさまざまな書物を揃えた立派な書庫となった。
私はまず、忍術についての書物を調べることにした。
『性質変化について』、『チャクラの起源』、『禁術の取り扱い規定集』…。
ふと、本棚の最下段に｢血継限界｣と書かれた本が目に止まった。
厚みは今柱間がとりまとめている｢木の葉法大全｣くらいあろうかという分厚さである。
私は意を決して屈むと、その本に手をかけ、引っ張り出した。
ぱらぱらとめくると、目次にに｢木遁｣の文字。
そのページを開いてみると、木遁について現在分かっていることが詳しく書かれている。
しかし、使用者の情報は柱間以外にはない。
時間がかかる調査になりそうだ。
忍術の書ではないのだとしたら何か名簿のようなものはないだろうか。
上を見上げると、｢忍情報｣と書かれたエリアがある。
その棚の近くまで行き、私は思わず足を止めた。
『戦死者リスト』。
それも、棚にずらりと並んでいる。
本の、墓場。
近くの適当な1冊をとって、開いてみる。
聞いたことのない一族の忍の名がびっしりと載っている。
こっちの本には、戦争に巻き込まれた民間人の死亡リストだ。
おぞましい。
もう見たくない。
でも、私の手は止まらない。
私の一族は、なんだったか。
苗字は、たしか。
｢あ、っ……｣
その名前を見た瞬間、私の頭の中には走馬灯のように、断片的な記憶が駆け巡った。
女の人の、柔らかな手。
賑わう子供たち。
誰かが、壁に横たわり、腕を投げ出して脱力している。
水田だったものが、干上がっている。
『またね、A』
知らない青年の声。
私が見たその名前は、｢藤原 A｣。
私の一族の死因は、｢千手一族と水無月一族との闘争による飢饉による｣と、書かれていた。
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東雲(プロフ) - ifzwegvさん» 年単位の亀更新ですみません…コメントありがとうございます。無理のないペースで更新いたしますので、たまに覗いてみてくださいませ。 (4月10日 12時) (
レス) id: 13c0e18287 (このIDを非表示/違反報告)
ifzwegv(プロフ) - 更新されてたー!! 当時から読んでいたのでとても嬉しいです。続きを気長に待ってます!! (4月1日 19時) (レス) @page40 id: e064c3839e (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - 続き気になります‼頑張ってください‼ (2022年12月18日 0時) (レス) @page29 id: 76ae9f90b3 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 資格試験が今週でひと段落する予定ですので、終わったらまた2日に1回くらいのペースで更新します(願望) (2022年10月8日 17時) (レス) id: 7383fa8b56 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 黒渦クレナさん» うわー！前作も読んでくださったんですね、ありがとうございます！今プロットを大幅に書き直しているところです。お楽しみに！ (2019年5月26日 0時) (レス) id: 3a02b4e62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲 x他2人 | 作成日時：2018年8月23日 20時
