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扉間の帰還後、柱間様の提案によりAは千手邸の一番奥にある部屋に住まわせてもらうこととなった。
扉間は柱間様から厳しい説教を食らったようであったが、術を開発する手を止めない。
厳しい戦争を乗り切って大切なものを守るためには、手段を選んでいる暇はないといったところだろうか。

それにしても、このところ戦いが増えた。
扉間が不在でもさみしい思いをしないようにと、私は千手一族の屋敷の一番奥にかくまわれることとなった。
たまに柱間やミトなどが顔を出しては面白い話を聞かせてくれたり、珍しい菓子などを持ってきてくれる。
いつの間にか、2人のことも「柱間」「ミト」と呼ぶようになっていた。
そのひと時はとても楽しくて、扉間に会えないつらさを少しだけ軽くした。

「ミトは柱間のこと、好きなの」
「な、なんですか急に」

就寝前、お勤めを終えたミトが私の部屋へきて、茶を飲んでいる。
ミトは私の言葉に、優雅に飲んでいた茶を誤飲し、むせながらこちらを睨む。

「私たちはいわゆる政略結婚です。好きだの嫌いだのと…」
「でも柱間はミトのことが大好きだと思うよ」
「そんなこと…」

ミトは頬を赤らめて黙り込んでしまった。

「あの方はいつも私に笑顔を向けてくださいます。結婚をすると決まった時も、九尾を封印すると決まった時も、私の身を案じて最後まで私の気持ちを優先しようと手を尽くしてくださいました。私は幸せな政略結婚をしたと思っていますし、あの方を好ましく思っております。でも、うずまき一族の姫として、九尾の人柱力として気にかけてくださっているだけのこと。それ以上でも以下でもないのです」
「そんなこと…」

言いかけて、私は口をつぐんだ。
私が口を出すような話ではない気がしたからだ。

「で、どうなんですか。扉間とは」

今度は私がむせる番であった。

「私、好きとかよくわからないのよね」
「では、扉間がほかの女性と仲良くしていたらどうでしょう…そんな人を殺すような目で見ないでください」
「ごめん」
「もうそれは好きじゃないですか」
「なるほど」

頬が熱くなっている。
きっと私の顔は、赤いに違いない。

会いたい。
扉間に、会いたい。

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設定タグ:NARUTO , 千手扉間   
作品ジャンル:恋愛
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東雲(プロフ) - ifzwegvさん» 年単位の亀更新ですみません…コメントありがとうございます。無理のないペースで更新いたしますので、たまに覗いてみてくださいませ。 (4月10日 12時) (レス) id: 13c0e18287 (このIDを非表示/違反報告)
ifzwegv(プロフ) - 更新されてたー!! 当時から読んでいたのでとても嬉しいです。続きを気長に待ってます!! (4月1日 19時) (レス) @page40 id: e064c3839e (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - 続き気になります‼頑張ってください‼ (2022年12月18日 0時) (レス) @page29 id: 76ae9f90b3 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 資格試験が今週でひと段落する予定ですので、終わったらまた2日に1回くらいのペースで更新します(願望) (2022年10月8日 17時) (レス) id: 7383fa8b56 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 黒渦クレナさん» うわー!前作も読んでくださったんですね、ありがとうございます!今プロットを大幅に書き直しているところです。お楽しみに! (2019年5月26日 0時) (レス) id: 3a02b4e62c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲 x他2人 | 作成日時:2018年8月23日 20時

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