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ドアのノックされる音がした。
何となく昨日のことが恥ずかしくて、私は布団に包まりながら返事をする。
扉間は平然と部屋の中へ入ってきた。
手に、大きな盆を持っている。

「A、少し急だが、長期任務へ行くことになった」
「長期任務…?」
「ああ、任務だ」

扉間の声は、いつも通りだった。
彼は大量の料理を机の上へと並べていく。
突然のことで、何が何だか分からなかった。
そして、料理が並べられていくにつれて、彼の言葉の意味がじわじわと実感された。

「足の早いものから番号を振っておいた。番号の若い順に食っていけ」
「分身は、」
「…済まないが、置いては行けない」

扉間が行くような任務だ。
きっと、危険度も重要度も最高クラスのものだろう。
しかも、その間扉間には会えない。
…毎日会っていた扉間に、会えなくなるということだ。
その衝撃に、思わず言葉を失った。

「無事に、帰ってくるよね」
「…ああ」
「気を、付けてね?」
「…ああ」

扉間の口数が少ない。
彼にもしものことがあったら。
気づいたら、目からぼろぼろと涙が零れていた。

「ご、ごめんね…寂しくて…」
「すまない。泣くな…」

扉間の暖かな手が、私の頬を包み込む。

「オレなら大丈夫だ。信じろ」
「うん、」
「必ず帰ってくる」
「うん、待ってる」

彼は、忍。
いつ何があってもおかしくない。
でも、彼は強いから。
きっと、大丈夫。

涙で歪む視界の中、彼の背中は、閉まるドアによって、見えなくなった。

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設定タグ:NARUTO , 千手扉間   
作品ジャンル:恋愛
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東雲(プロフ) - ifzwegvさん» 年単位の亀更新ですみません…コメントありがとうございます。無理のないペースで更新いたしますので、たまに覗いてみてくださいませ。 (4月10日 12時) (レス) id: 13c0e18287 (このIDを非表示/違反報告)
ifzwegv(プロフ) - 更新されてたー!! 当時から読んでいたのでとても嬉しいです。続きを気長に待ってます!! (4月1日 19時) (レス) @page40 id: e064c3839e (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ - 続き気になります‼頑張ってください‼ (2022年12月18日 0時) (レス) @page29 id: 76ae9f90b3 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 資格試験が今週でひと段落する予定ですので、終わったらまた2日に1回くらいのペースで更新します(願望) (2022年10月8日 17時) (レス) id: 7383fa8b56 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 黒渦クレナさん» うわー!前作も読んでくださったんですね、ありがとうございます!今プロットを大幅に書き直しているところです。お楽しみに! (2019年5月26日 0時) (レス) id: 3a02b4e62c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲 x他2人 | 作成日時:2018年8月23日 20時

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