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｢姉さん､サボるならそう言ってよネ｣
これが朝､登校するなり言われたのがこの一言
声の主は随分とご機嫌ななめな様子だ
｢夏目､おはよう｡今日はご機嫌ななめさんね｣
｢おはよう､じゃなくテ!!
突然､ひとりでフラフラするのは危ないって何度も言ったよネ？？｣
ぷんぷんと言いたげな表情でそう言われてしまうと、怒らせてしまったという罪悪感よりも可愛いという感情が勝ってしまう
｢次からサボるならボクのところにしてよネ
今は姉さんにとっても危ない状況なんだかラ｣
｢ごめんなさい､次からそうするわ｣
｢じゃあ今からネ｣
そう言いながら､ぐいぐい私の手を引く夏目
彼の中では私が授業をサボることは決定事項なようだ｡
｢(まぁ､いいか｡今日も大した授業は無いし)｣
私はされるがまま手を引かれ､足を進める
今､私たちへ向けられている周りの視線や声を聞こえないふりをしながら
｢それで何処に行くの？秘密の部屋はこの道じゃないでしょ？｣
｢新しい通路を作ったんダ、姉さんには教えておこうと思ってネ｣
｢また秘密の通路増やしたのね｡こんなにたくさんいつの間に……｣
どこへ行くのやらと思っていたら､そういうことらしい
教師の弱みを握ってあれこれしてるのは知っているけど、規模拡大の勢いがすごいのだ
｢あった方が何かと便利だからネ｡自由使っていいヨ｣
きっと生徒会から逃れるために作ったのだろう
五奇人のこの子に向けられる悪意はとてつもないものだ
｢………｣
普通ならこんなに悪意を向けられて耐えきれない
この子は私みたいに慣れているわけでも､なにも感じないわけじゃないだろう
｢夏目｣
｢ん？なに､姉さ…ちょっト､?｣
その時には私は思わず、夏目を抱きしめていた
抱きしめられた彼は困惑し､声を上げる
｢………心配しないでね､貴方のことは私が守るから
可愛い貴方にはかすり傷ひとつだってつけさせないから｣
気丈に振舞っているけど､本当は辛いはずだ
これから先どうなるか分からないという不安と恐怖がまとわりついてる
それは私も同じ､この子の気持ちは痛いほどわかってしまう
｢……それはボクのセリフなんだけド｣
｢駄目､A姉さんは貴方のことを守りたいの｣
彼に言い聞かせているようで、自分に言い聞かせてる
”｢もし君が僕を選んでくれるなら､逆先くんは見逃してあげる｣”
その条件を蹴ってまで、私は五奇人と呼ばれる彼らのそばを選んだのだから
｢……A､ちょっといいかな｣
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みるくてぃー - すごく面白いです！更新頑張って下さい！ (8月19日 8時) (
レス) id: f530bd8429 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎(プロフ) - 星空ブリキさん» ありがとうございます！！！存分に泣いてください笑 (2023年4月15日 17時) (レス) id: bf03de0130 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - 泣きますよ！？ 泣きますからね！？ 責任とってくださいね゛(褒め言葉)！？ だってめっちゃ面白い内容なんですもん(わがまま)！！！！ (2023年4月13日 11時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎(プロフ) - きさらぎさん» ありがとうございます！！長らくおまたせしました!!!続きを楽しんで貰えたら嬉しいです (2023年4月4日 22時) (レス) id: de049ad89d (このIDを非表示/違反報告)
きさらぎ(プロフ) - もう何周目か分からないくらい繰り返し読んでます！英智先輩の執着している感じがもう沼です！更新頑張ってください！！ (2023年3月28日 20時) (レス) @page15 id: 3316933a16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫林檎 | 作成日時：2023年1月2日 14時
