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#160 ページ13

「ごめんなさいっ…私が悪いの…私がもっと彼を疑ってれば、日和くんを信じてれば……」

「Aちゃん、君は悪くないね
君はちゃんと僕の言葉に耳を傾けていてくれたのを知っているね」

地面に膝をつきながら、ポタポタと涙を流して謝り続けることしか出来ない私

「僕も、笑ってるAちゃんが大好きだね
だから今は無理かもしれないけど笑っていて欲しいね」

それを慰めるように今度は日和くんが私の涙を拭う
こんなに優しくしてもらう資格なんて私にはない筈なのに、彼の優しい言葉にさらに涙が溢れ出る

「………日和くん、Aを泣かせたの?」

泣いている私を見て、じとりと日和くんを見つめる凪砂くん
その目は戸惑いのような怒りのようなものが孕んでいる

「凪砂くんには分からないかもしれないけど、これは悪気があって泣かせたわけじゃないね!!!!」

「…そうなの?」

「そうだね!!僕は誰かさんと違って紳士だからAちゃんを泣かせる真似はしないね!!!」

いつも通りの仲睦まじい2人の姿
それを見ていると、とても安心して思わず笑みがこぼれてしまう


「ふふ、相変わらず仲良しさんね」

「……私もAの笑っている顔が好き」

私がそういうと凪砂くんは嬉しそうに微笑みながら、私を見つめる

あまりに距離を詰めるてくるから、今にも唇が触れ合ってしまいそうな距離だ

「っっ凪砂くん、近い……」

「……Aが可愛いから…」

私が顔を逸らそうとすると、彼はそれを許さないかのように頬に触れて目と目を合わさせる

「っっ……!!」

「…私はAを愛してるから…もっと私を見て欲しいな」

その一言で私の顔は火を吹いたように熱くなる
穴があったら入りたい、身の置き所がないとは、まさに今の状況だ

彼からの熱烈な言葉は何度言われても慣れない、恥ずかしくて仕方ない。

「………英智くんにも、朔間くんにもAはあげない
私の、私だけの天使。いつか私のものになってね…」

耳元で囁かれ、私は機械のようにショートしてしまう
故障した機械のような気分だ(機械になったことないけど)

「凪砂くん、もしかして嫉妬していたね??」

「……嫉妬…?」

「僕とAちゃんが仲良しだから、羨ましかったってことだね!!」

”最近、Aちゃんとおしゃべりしていなかったしね!!”
凪砂くんの心情を代弁するようにそういう日和くん


「(そういえば、夏目の時も……)」

朝の状況を思い出して、私は少し納得するのだった

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みるくてぃー - すごく面白いです!更新頑張って下さい! (8月19日 8時) (レス) id: f530bd8429 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎(プロフ) - 星空ブリキさん» ありがとうございます!!!存分に泣いてください笑 (2023年4月15日 17時) (レス) id: bf03de0130 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ(プロフ) - 泣きますよ!? 泣きますからね!? 責任とってくださいね゛(褒め言葉)!? だってめっちゃ面白い内容なんですもん(わがまま)!!!! (2023年4月13日 11時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎(プロフ) - きさらぎさん» ありがとうございます!!長らくおまたせしました!!!続きを楽しんで貰えたら嬉しいです (2023年4月4日 22時) (レス) id: de049ad89d (このIDを非表示/違反報告)
きさらぎ(プロフ) - もう何周目か分からないくらい繰り返し読んでます!英智先輩の執着している感じがもう沼です!更新頑張ってください!! (2023年3月28日 20時) (レス) @page15 id: 3316933a16 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:姫林檎 | 作成日時:2023年1月2日 14時

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