パパの温もり。

春 ページ7

鳴side

「 え、瀬奈ちゃん…？パパいないの？亡くなったの…？ 」

俺は、ありえないと思う。
俺の元恋人は、結婚もしていては、子供もいる。だけど＿＿＿＿ パパがいない…。

そんな、不幸な人生を美優は送っている。とても、悔し気分になった＿＿＿＿


「 うん…。でも！ママや、みゆっきーがいるから寂しくないよ！ 」

あんなにこにこしている…。苦しい筈なのに笑っている…。やっぱり、美優の子だな…。


「 瀬奈！もう、帰ろう。ママが待ってるし…」

一也が言い終わる前に俺は、瀬奈ちゃんを抱き締めていた…


「 …。辛いでしょう…？悲しくて、泣きたくなるよね？ママの事、考えて泣けなかったりするよね。 」

俺の、腕の中で小さなしゃっくりが聞こえてきた…

「 あり…がどう。大丈夫！めーさん！ 」


俺の顔を見上げて、にっこり笑っている瀬奈ちゃんをみて、俺もにっこり微笑んだ。


でも、一也は、複雑な顔でこっちをみていた…。



「 じゃあ、帰ろっか。瀬奈…。 」

「 うん！めーさん！ありがとう！ばいばい」



俺は、親子の様な2人を見えなくなるまでそこに突っ立っていた。



瀬奈ちゃんに会って、俺はなぜか不思議な感じがした。初めて、会ったのにどこかで、会ったことがある様な…。不思議な感じが…。

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