九十五 ＿砕けぬ意志＿ ページ46
億泰が手を大きく振ると、形兆はこちらに気づき、直ぐに硬直した。
正確にいうと、Aを見た瞬間に。目を見開いて口を少し開けて硬直した。
Aが承太郎と顔を見合わせ、首を傾げる。そして形兆の方を見て、手を振る。
億泰が形兆の腕を引いて、連れてきた。依然、Aを見て硬直している。
「……？
形兆
……お、覚えてるよ、ちゃんと……」
「あぅ……」
(……『あぅ』？)
流石に不審に思った承太郎が、Aに耳打ちする。
「……おい
お前何やった？」
「な、なに……？なにかしたのか、私は……？
いや……助けただけで……
……え？これ今恐怖感じてんの？なんかやったっけ？」
「…………」
あどけない顔で、Aが形兆の顔を覗き込んだ。そして、申し訳なさそうに言う。
「えっと……どうしたの？
なんで固まってんの？」
「！？！？」
(あれぇ……何この反応……
ずっと視界の中に入ってたよね……？)
影が薄いか？気配を感じないか？透明人間にでもなっているのか？
「っ…………
……帰るぞ、億泰！」
「んっ！？
……う、うっす！兄貴！
承太郎さん、ご馳走様でしたぁー！」
「おう」
結局、ろくに言葉も交わさず言ってしまった。
2人の背中が見えなくなると、Aは途端に机に突っ伏した。
「ほらぁ〜〜絶対助けたこと恨まれてるじゃん〜
嫌われてる……絶対嫌われてるよ……」
「……いや
そうでも無いみたいだぜ」
「……なんでそう言い切れるんだよ」
「……Aさん……気づかなかったんスか？あんな至近距離に居て？」
「……？
なにが？」
「いや……Aさんって、鈍感なんスね」
「こ、こんな事あるんだ……へぇ〜……
億泰くんのお兄さんが……へぇ〜……」
·
「兄貴〜
なんで急に帰るなんて言い出したんだよ？」
「…………いや……
……クソッ、あの女……」
「女？
Aさんの事か？Aさんがどうしたんだ？」
「……あいつを見ると……無性にイライラする」
「俺は逆に癒されるけどなぁ〜……すっげー美人だし、声も綺麗だし、性格もカッコイイし……
ソンケーするぜぇ
まさに理想の女の人って感じ！」
「……そうだな」
「兄貴もそう思うよな！なんてったって、体張って助けてくれたもんな〜！
あんな度胸と考え方、俺には無いもんな〜
でもなんで怒ってんの？
…………？
顔赤いぜぇ、兄貴？熱？」
「……うるせぇ」
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チョコだいしゅき(プロフ) - てめぇにやる名前はねぇええええ！でジョセフだなって悟った。 (2021年9月23日 0時) (
レス) @page21 id: c43c134812 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2019年7月30日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 引き込まれるお話のお上手さ…！ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
レイれい(プロフ) - 通知来たら真っ先にこれ見ます！面白いです！頑張ってください！ (2019年7月15日 18時) (レス) id: bed35b9be5 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - とても続きが待ちどうしいです！これからも体が壊れない程度に頑張ってください^ ^ (2019年5月1日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1匹のメタリカ | 作成日時：2019年4月18日 23時
