七十七 ＿未来への遺産＿ ページ28
「ん……ヴァニラ・アイス
DIO様は？」
「……兄弟喧嘩を」
館の壁を貫いて、少女がぐったりとした様子で倒れた。それを見た側近は、深い溜息をつく。
「館の修繕も楽ではないというのに……」
「報告なら後の方がいい」
「そうですね……そうします」
見た目5歳の少女に跨りながら、その細い首に手をかけ、巨体は微笑んだ。
「お前は100年前、俺に向かってこう言った
『この細く、白い首を折るなんて100年早い』と」
「んなこと言ったっけ……」
「だが……100年経った今ならどうだ？」
瞬間、鈍い音と共に、少女の首が直角に曲がる。
「…………」
「……さぁ、俺の勝ちだ
血をよこせ」
「誰が渡すか馬鹿野郎」
「首を折れば血をやる
そう言ったのはお前じゃあないか」
「100年前の事をほじくり返すな
過ぎた事だろ
それにその肉体はジョナサンの物
私の首を折ったのはジョナサンだ」
「…………こじつけを……」
「眠い
寝る」
「ふん……ならば兄らしく子守唄でも歌ってやろう」
「要らねぇ」
.
「いやあの……マジで要らねぇんだけど
狭い冷たい離れろクソが」
キングサイズのベッドに、AとDIOが寝転がる。DIOが居るというだけで、ベッドが物凄く小さく感じる。
「目を瞑れ」
「問答無用か……」
呆れたように目を瞑ったAの頭に、DIOはその冷たく大きな手を優しく置いた。
(腹立つ……)
透き通るような声で、子守唄を歌い始める。
「＿＿……螺旋階段
カブトムシ
廃墟の街……＿＿」
(＿＿＿＿……ん？)
螺旋階段
カブトムシ
廃墟の街
何かに引っかかる。
「＿＿……特異点
秘密の皇帝……なんだ、寝てないのか？」
寝てない
というか、さらに目を見開いてDIOをじっと見ている。
さすがに様子がおかしい。
「……なんだその歌は」
「子守唄だ」
「違う、そうじゃない
＿＿……どこでその言葉を知った？」
「母が昔、よく歌っていた」
「……お前の母が？」
「そうだ」
「はぁ…………分かった、分かったぞ」
「……何がだ？」
「……私の記憶を呼び戻す方法を、だ」
〔いや……いやいや……
書斎とかで調べたり世界各地回ったりしたのに……
何故だ……
何故でこいつから知る事になった……
……かなり癪に障るが、まぁ、それはそれでいいとしよう
……あとは、記憶を戻すだけ
きっと、それが私の死ぬ手掛かりになるはず〕
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チョコだいしゅき(プロフ) - てめぇにやる名前はねぇええええ！でジョセフだなって悟った。 (2021年9月23日 0時) (
レス) @page21 id: c43c134812 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2019年7月30日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 引き込まれるお話のお上手さ…！ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
レイれい(プロフ) - 通知来たら真っ先にこれ見ます！面白いです！頑張ってください！ (2019年7月15日 18時) (レス) id: bed35b9be5 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - とても続きが待ちどうしいです！これからも体が壊れない程度に頑張ってください^ ^ (2019年5月1日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1匹のメタリカ | 作成日時：2019年4月18日 23時
