人か鬼か 4 ページ25
「...悲しんでいる人のためにってのは、僕達、...鬼殺隊と同じなんだね。」
楽空の叫びを聞いて、ふと冷静になり、無一郎なりに考えたのだった。
短く、たった数秒で、たった数文字の言葉ではあったが、それは無一郎に確かに届いたのだった。
「...一緒に、しないで。
あなた達のように、鬼を助けようとせず、殺すことだけを考えるあなた達と、同じにしないで。」
次の声もまた、低い声だった。
でもそれは先程の機械的な声ではなく、怒りを含んだ低い声。
冷めたような、恨みのこもった声だった。
「君が僕の継子になってよ。」
少女のようなようしの少年は、少し悲しそうに微笑んで言う。
無一郎は考えた。
「僕の継子なら、僕がある程度は自由にできる。
だから、今まで通りその仕事続けられるし、今と違うのは、ちゃんとお金が貰える。
どうかな?僕はいいと思うんだけど。」
最後少し目を逸らし、無一郎は提案した。
たしかに悪くない。
だが、問題はそうではない。
「それは、出来ない。」
少女もまた、頭は悪くなかった。
急な提案であるとはいえ、悪くない条件であった。
しかし、
「私に、君の声は届かない。」
そして少女もまた、悲しそうに言う。
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あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2020年1月25日 23時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
なか(プロフ) - 金米糖さん» そんな勿体ないくらいのお褒めの言葉ありがとうございます!これからも精進して参りますのでどうか見捨てないようお願い致します! (2019年12月8日 7時) (レス) id: f9727ae2bd (このIDを非表示/違反報告)
金米糖 - また読んでしまいました。何回でも読みたくなるお話を作れて尊敬します。 (2019年12月3日 21時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
なか(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます!捏造に想像を重ねて物語を作っておりますので、どうか楽しんで頂けたら幸いです! (2019年11月28日 12時) (レス) id: f9727ae2bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 初コメ失礼します!とても面白いです!続きが楽しみです!無理せず作者様のペースで更新頑張ってください。 (2019年11月28日 0時) (レス) id: c8f2fa6e5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なか | 作成日時:2019年11月19日 11時