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ぶっ壊せ!4 ページ12

ある日、夏目漱石に声をかけられた。
そして私は下巻を手に入れた。その日のうちに二回読んだ。
細胞が読む前と読んだ後で、すべて入れ替わったような気分を味わう。

そうして私は殺しをやめた。
ポートマフィアに入った。

太宰治とは、まだ会えていない。




そもそも織田作之助と太宰治の出会いはどんなものだったのだろうか。
私は玄関(エントランス)の掃き掃除をしながら考える(掃き掃除だって立派な仕事だ)

原作のどこでも、それは詳しく言及されていなかった。太宰治ほどの有名人ならばすぐに見つかると思っていたが、思い違いだったようだ。
今の所、会えてすらいない。
一介の最下級構成員は幹部に簡単に会う事は叶わない。
そのことを失念していた。太宰治なら会えるだろうなんて考えが甘かったようだ。

殺さない、ということでどこの組にも属していないので、今幹部達が何をしている、というような動向などもわからない。
情報が伝わってこないからだ。
尤も、私が社交的で誰にでも気さくに話しかけ、友達が多かったり、交友関係が広かったりしたならば話は別だが。生憎、そういった事を教えてくれるような友人はいない。

さて、どうしたものか。

織田作の性格的に自分から進んで太宰治に会いに行った訳じゃないだろう。
とすれば、向こうがアクションを起こしてくれるのを待つしかなくなる。

とりあえず私は掃き掃除を終え、今度は『猫探し』に向かう。
なんて陳腐な、そして困難極まりない依頼なんだろう。

「本当に逃したくないなら首輪を付けて、鎖につないでおけばいいんじゃないか?」

犬みたいに。
もしくは家から出さないとか。
捜すのめんどくせー。

だが、そんな莫迦げた依頼のお陰で生計がなりたっているのも事実。大人しく仕事しようじゃないか。



結局、目的の猫を見つけたのは翌日の夜だった。
3日かからなかっただけマシだな。





「鎖につないでおけばいい、か。君は自由に羽ばたいてこそ輝くものだと思っていたけれど……」
だから、無理に私に縛り付けて嫌われるのが怖かった。理解される訳がないと諦めてたから。
でも、君は思っていたより私の事を深い所まで理解してくれていた。
「喪ってしまうぐらいなら、いっそ閉じ込めて、どこにも行けないように縛り付けてしまおうか」
優しい君は、きっと許してくれるだろう?

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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まあじ | 作成日時:2016年6月12日 11時

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