私にとって貴方は光２【青峰大輝】

光への距離が３９cm ページ9

青峰side

葵に会う前
俺と火神はいつもの様に喧嘩した

〜数日前〜

葵が連れ去られて
まるまる一週間が経った

俺と火神は、ずっと…考えていた

火「おい、まじどうすんだよ。青峰」

火神のやつは不機嫌と不安が入り交じった
顔をして、こっちを見ていた

青「どうするっつ言われても
今回ばかしはどーしよーも出来ねーだろ」

俺がそう答えると、気に食わなかったのか
怒る寸前の顔になって俺を睨みつけてきた

火「どーしよーも出来ねーじゃねーだろ
葵が結婚させられっかもしれねーんだぞ
しかも、知らねー男に！いいのかよそれで！」

青「俺は、別に
それをいいなんて一言も言ってねーだろ！
でも、今回ばかしは、葵の家での問題だ！
俺達が口を挟むことしても意味ねーだろ」

俺の言葉で
火神は頭が冷えたのか悪ぃ、と呟いた

火「それでもよ……あいつが心配なんだよ」

それに関しては俺も同意見だ
あいつの親父
葵から聞く限り
すげーひでぇ奴って聞いてたしな

つーか、なんで
火神の野郎がこんなに心配してんだ？
確かに、友達なら心配すっけどよ
ここまで怒る程なのか？……まさかな

青「なぁ、火神」

火「なんだよ」

火神は、キッチンの方へ向かい
冷蔵庫を開けて牛乳を取り出し
コップに注ぎ込み、そのコップを口につけた

青「お前、葵のこと好きなのか？」

火「ぶー！…げっほ、ごほごほっ！」

漫画に出てくるほどの
激しいくらいに
口から飲んでいた牛乳を吐きだす

青「汚ねーな！」

火「てめぇが意味わかんねーこと
言ってんだからだろうが！！！」

そう言っていた
火神の顔は真っ赤に染っていた

図星じゃねーか
わっかりやしーな

青「馬火神。悪ぃが全然、誤魔化しきれてねーよ
まさか、こんなに嘘までつけねーなんて
全然、思わなかったぜ」

火「…うっせーよ！」

火神のやつはそう吐き捨てて
もう一度、牛乳を
コップに注ぎ込みだす

火「そーゆー青峰だって
あいつのこと好きなんだろ？」

青「はぁ？、俺がか？
……別にんな餓鬼興味ねーよ
まぁ、兄妹としてはいいかもだけどな」

鼻で笑って俺は、火神にそう返した

俺の言葉に、言動に
火神は、すげー般若みてーな顔をして
俺のシャツの胸元をグイッと引き上げた

火「本気で言ってんのか？」

真剣に俺を見る
火神は、まるで……高校時代の時の目をしていた

青「本気に決まってんだろ」

火「なら、あいつは俺が貰うからな」

そう言った瞬間
何故か胸がざわついたのは
少し、黙っておく

光への距離が４０cm→←光への距離が３８cm

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す