怪物屋の半妖娘 (ページ15)

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3-3話ページ15

『あー！ベタベタする！』

お風呂に入らずに寝てしまい違和感で目が覚める。時計を見れば早朝4時。

今更だがシャワーを浴びようと自室を出ると夏羽くんがいた。

『うわぁ！？あー…て、夏羽くんか。どうしたの？』

「寝れなくて…」

『……じゃあ、一緒に外に運動しに行く？』

「？はい」

夏羽くんと開けたところまでくる。

「ここで何かするんですか？」

『夏羽くんさ、3歳しか違わないし敬語じゃなくていいよ』

「わかった」

頷いた夏羽くんに笑いかける。

『さて、ここに来たのはね。私今日止めちゃったけど夏羽くん何か掴みそうだったじゃん？ちょっと一回ぐらい掴んどいた方がいいよなって思って』

「？」

『夏羽くん、死ぬ気でかかっておいで』

突然の発言に呆然としている夏羽くん。そこに殺意を込めて一発叩き込む。それを反射的に防御した。

畳み掛ければ夏羽くんの防戦一方。

『そんなんじゃ今日みたいに大切な人も守れないよ。私や隠神さんがいつも一緒にいるわけじゃない。死ぬかもよ？織もあきちゃんも』

「！」

あの時以上のプレッシャーを夏羽くんに与える。

『嫌なら強くなれ。あの時の感情を思い出せ。自分が半分人間なんて事忘れて本能に従え、夏羽』

瞬間、吹き飛されるが足を引きずって着地する。

『うん、出来たね。出来るとは思わなかった』

あの時はギリギリの戦いだったからこそ力が出そうだった。自分にそのくらいの戦いができるか不安だったが良かった、と安心する。

『その感覚、忘れないでね』

「わかった」

帰り際、歩いていると夏羽くんのお腹の音が鳴る。

『お腹すいた？コンビニ寄ろうか』

「別に大丈夫」

『年下が遠慮しないの。これでも結構お給料貰ってるから。それに連れ出したのは私だし』

それでも遠慮する夏羽くんの手を引いてコンビニに入る。

コンビニから出ると日が既に上り始めていた。

余談

「A」

『ん？』

「正直さっきの戦い、今回の任務の時より数段強い殺意を感じた」

『あれ？蚊婆ってそんなに殺意弱かったっけ？あんまり覚えてないんだよね…』