丗参 ▽ ページ2
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「笑い事じゃないですよう」
ヨコハマの街路を、
蜂蜜色の髪の女性を先頭に数人の若者が歩いていた。
先頭の女性に、依頼の詳細である目的地へと
案内されている途中である。
先程不安な弱虫の様な声を発したのは、
薄暮の武装集団_____
武装探偵社の新人、中島敦。
其の隣には先輩社員、谷崎潤一郎と妹、ナオミが居た。
谷崎「まァまァ…
ボクでも続けられてる位だから大丈夫ですッて」
敦「でも、谷崎さんも『能力者』なのでしょう?
どんな力なんです?」
谷崎「や、あんまり期待しないで下さいよ、
戦闘向きじゃないンですから」
谷崎は照れくさそうに頭を掻き、笑った。
?『……確かに、その通りだね』
敦「え?」
敦は立ち止まり、周りをきょろきょろと見回した。
敦「今……何処から声が…?」
ふと、谷崎達が居る方を見た。
谷崎達には如何やら先程の声は聞こえて居なかったらしく、
ナオミは谷崎に人目もはばからずいちゃついていた。
敦「気の…所為?…か」
敦は特に気にせず、
立ち止まった居た間に出来た谷崎達の道のりを追いかけた。
丁度、蜂蜜色の髪の女性_____
樋口が、「着きました」と言った。
目的地へと着いた様だった。
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燈華『拙い、先刻ので居場所ばれたかな?』
燈華が微かに焦った表情をした。
先程、敦だけに聞こえた声は、燈華のものだった。
氷華『いえ、私達が居る屋上は気にして居ない様でしたし、
おそらく大丈夫ですよ。気づかれていません』
燈華『良かった…。全く、都合良いもんだね、
こんな時に虎の聴覚が反応するなんて。
本人は自覚無しみたいだけど、油断出来ない』
氷華『そうですね。
あと、樋口さんとあの人の作戦…
そろそろですし、上から見ておきましょう?』
燈華『賛成』
路地裏の建物の屋上に、
にやりと、低温の笑みを浮かべ、展開を待って居た。
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作者名:Iuna & Asterisk x他1人 | 作成日時:2019年1月13日 13時