兄を嫌う少年少女と弟と妹を想う青年 〜 もう1つの物語 〜【文スト】

拾伍 ページ6

中原「手前も太宰つーことか？」









司書「まあ、色々と飛ばして簡潔に言うとそうなるね。

私の名前は司書(図書館ヲ知ルモノ)。

本名を…太宰治という。

図書館ヲ知ルモノ、とは彼女の事を知っている、と言う意味だ。

彼女の異能力名は図書館(アーカイブ)」









司書(私)は平然とそう告げる。









司書「混乱、するよね？

説明をしよう。

何故、私がここに居るかを…。

私は本当に太宰治だよ。

唯…別の物語の太宰治なんだ。

彼女…Aとと或る青年が願ったんだ。

幸せを…とね。

其のと或る青年こそが、私。

彼女を不幸にして、後悔をした私だ。

一つ前の物語で私は彼女の心を壊してしまった。

取り返しのつかないほどにね。

結果、彼女は1人で命を止めた。

言葉を残して、ね」









中原「…理由は分かった。

が、なら何故お前は生きている。

違う世界のAが死んで、俺達は悲しんで後悔した。

のに、別の世界に来れるんだ」









司書「別の世界では無いからだよ。

…本には様々な終わりがあるだろ？

悲しい終わりも幸せな終わりも。

それと同じだよ。

前の物語で彼女は悲しい終わりを迎えた。

だから、今回は幸せな終わりを迎える。

嗚呼、今すぐには死なないよ？」

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