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腕を引かれて辿り着いたのは、金木犀の森になっている小さな丘だった。ミルちゃんのお家までざっと10分くらい。辿り着ける距離ではある。


『本当にここなの?』

「ミルちゃんは花が好きなんだろ?」

『うん。』

「ベンサムはミルちゃんが好きなんだろ?」

『そういうことになるわね。』

「じゃあきっと大丈夫。」



私が不思議そうに困った顔をするもんだから、安心させるためにだろうか、うらたは頭をゆっくりと撫であげた。


うらたは頭がいい。なんて言えばいいんだろう、こう状況判断というか予測能力というかその類の力がある。

だから信用してないと言ったら嘘になる。きっと2人ともここにいるんだろう。

そう思ってうらたの後ろをついてきょろきょろと辺りを見回すと私の右側でガサガサっと音がした。「ひっ」っと情けない声を上げてしまった私の前にうらたが出て、守るような体勢に入った。そんな彼の肩口から草むらを覗き込んだ。



「…ふぅ、やっと出れた〜!…ってAさん!」

『あ!!ミルちゃん!!』




草むらから顔を出したのは頭に葉っぱを頭に乗せて目を丸くさせたブロンドの髪の少女__ミルちゃんだった。その腕の中にはベンサムくんもいて、ほっと胸をなでおろした。



「Aさん、どうしたんですか…?こんなところで…。」

『ミルちゃん探してたの。大丈夫?』

「えっ、わざわざ!?すみません…。」



ミルちゃんは歳は7歳くらいなんだけど、歳に見合わず発言が大人びてるのよね。妙に聡い子で、人のために動ける子。


私が目線を合わせてしゃがみこむと、軽く頭を下げて申し訳なさそうな顔をする。そして、ちらりと私の後ろにいるうらたを見た。



「Aさん、あの人だぁれ?」

『ん?……あぁ、私の付き添いの人。うらたって言うの。悪い人じゃないよ。』


そう言ってもう一度うらたを見ると、顔を真っ赤にしてばっと目線を逸らした。どうしたんだろう…。


『大丈夫??そんなうらた怖かった!?』

「お嬢、それめちゃくちゃ失礼。」

「ち、違います!大丈夫です!」


頑なにこちらを見ないミルちゃんに小首を傾げながら帰路につこうと姿勢を戻すが、その瞬間私たちの意思を察したのか腕の中にいたベンサムくんが飛び退いて走り出した。


『いっ…。』


抜け出したベンサムが私の腕を踏み台にして走り出したため、シャツの上から爪を突き立てられて、血が滲んだ。思わず眉を顰めると、うらたが駆け寄ってきた。

▽→←▽



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さくらいろ(プロフ) - over the rainさん» 応援ありがとうございました!長い間何も更新しておらずすみません…これからはちゃんと更新を続けていくつもりですのでまた見ていただけると幸いです! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - くらっかーさん» 応援ありがとうございました!ようやく受験が終わったのでこちらの活動の方も再開させていただきます! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - 舞花さん» 舞香さん、アカウント変えて気づかないかもしれませんが、リクエストの方了解致しました!私も後々やまだぬきちゃんは出演させる予定だったので参考にさせてもらいますね!ありがとうございます(*´˘`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 受験お互い頑張りましょう!また会いに来ます! (2020年1月1日 23時) (レス) id: 957c180cee (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 受験勉強大変ですよね!首を長くしてお待ちしてます! (2020年1月1日 9時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらいろ | 作成日時:2019年11月4日 0時

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