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私の目は蜜柑色。綺麗な黒い瞳を持つ両親とは違う。それを気にしていた時に助けてくれたのは紛れもなく、4人だった。



「Aの目、宝石みたい!」




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何か悪夢にうなされたわけでも、体調が悪くなったとかそういうわけではなく、ぱっちりと目が覚めてしまった。


喉、渇いた。


喉元に手を当てて、軽く咳払いをする。口開けて寝てたのかしら。恥ずかしい。


そろりとベッドから足を出して、綺麗に揃えられたスリッパを履く。天蓋に手をかけてくぐるように顔を出して部屋の外へ歩き出した。お水でも飲もうかな。

厨房に向けて歩いて、ふと近くの談話室に明かりが灯っていることに気がついた。まだ誰か起きてるのかな…。



「……やんな…」

「ったく、ばかだなぁほんとに。」



ドアの隙間から覗くと、そこには見なれた4人がいて驚いた。こんな時間までお仕事してるの?それにしてはなんだか揉めている様子で少し怖くなった。

椅子を転がして珍しく声を上げる志麻と、それを宥めるセンラとこれまた珍しく顔を顰めるさかたと、それに反抗しているうらた。


な、なんだろう。何があったんだろう。


興味が湧いてしまった。ドアと自分の距離感さえも掴めないくらい前のめりになって話を食い入るように聞いてしまった。




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「やから、Aをそんな危険な目に合わせる必要ないやん!!」





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志麻にいきなり名前を呼ばれたことに驚いて、自分がどれだけドアに接近しているかも分からずに頭が動いてしまった。


『い"っ…。』


額をドアに強打し、音が響いた。咄嗟に口を手で覆ってドアから距離をとる。でももう遅い。やらかした。だって、この状況下であの4人の鋭さから、逃れられるわけない。

盗み聞きバレたら、というか一人で行動したってバレたら、どれだけ怒られるだろう。


口元をへの字にして、額を押さえながら、少しずつ漏れる光の量が増えていくのを目の当たりにしていた。



「……えっ、…A?」



ゆっくりとドアを開けたセンラに見つかってしまった。目をまん丸にしたセンラが私を出迎えていたのだ。



『うぅ、……ごめんなさい。』

▼→←7.マンダリンの希い



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さくらいろ(プロフ) - over the rainさん» 応援ありがとうございました!長い間何も更新しておらずすみません…これからはちゃんと更新を続けていくつもりですのでまた見ていただけると幸いです! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - くらっかーさん» 応援ありがとうございました!ようやく受験が終わったのでこちらの活動の方も再開させていただきます! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - 舞花さん» 舞香さん、アカウント変えて気づかないかもしれませんが、リクエストの方了解致しました!私も後々やまだぬきちゃんは出演させる予定だったので参考にさせてもらいますね!ありがとうございます(*´˘`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 受験お互い頑張りましょう!また会いに来ます! (2020年1月1日 23時) (レス) id: 957c180cee (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 受験勉強大変ですよね!首を長くしてお待ちしてます! (2020年1月1日 9時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらいろ | 作成日時:2019年11月4日 0時

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