黄色い光 4

171.善良ないい子 ページ26

「参ったな…」


火影室を後にして、それからナツキさんから詳しい話を聞かされた
期限までは未定だが、一年以上は見越しておけ
との事だった
長期任務
しかも潜入調査ときたもんだ
私が嫌いな任務の一つでもある
他里との争いの危険性がある火種は消すのに限る
確かに分かる
分かるけど、何故私なの？
暗部に任せろよー！
なんて、口が滑っても言えないけどね
相手は火影様ですから


「まぁ、なんとかなるべ」


長期任務はこれが始めてじゃないし
少ーし気持ち、ほんのちょーっとだけ木の葉から離れるだけだし
なのに
ーー何故こんなにモヤモヤする、？


「…ぁ、ミナトか」


そう
前回と今回の違い
前の長期任務はミナトが里には居なかった
でも今は居る
何を今更って気もするけど…
三年近く居なかったのに、たった一年ちょい里を離れるかも知れないってだけでーー


「ははっ、情けねぇや」


可笑しくって笑えてくる
想いが通じたってだけでこんなにも寂しくなるもんなのか
モヤモヤした理由がくだらないような、真剣なような
気づけば探し回ってるのもきっと無意識
会えるとしたら今日しかないんだ
明日には私はこの里には居ない
里にはほとんど寂しいって気持ちはないし
また帰ってこれるから…
でも、ミナトには会いたい
任務で居なかったら…嫌だなっ


「！」
「ばあちゃん気をつけろよ！」
「ありがとねぇ」
「フミおばあちゃんお久しぶり〜お孫さんなんて居たんですね」
「あら、Aちゃん！違うの！この子が困ってる私を助けてくれて、ねぇ？」
「まぁな！」


フラフラとミナトを探し回ってたら私が良くしてもらってるうちの一人のおばあちゃんと見知らぬ少年がいた
孫だと思ったけど違ったらしい
人助けとか、善良ないい子なこった！


「私からもありがとうね」
「別に良いって！んじゃ、俺急ぐから」


そう言って黒髪の少年は猛ダッシュで走って行った
そんなに急いでたのに人助けをするとは…


「あの子ねぇ忍者の学校に通ってみたいなのよAちゃんと一緒ね」
「アカデミーか…、え？」


私がさっき見た時計だと8時を回っていた気がするが
そんで此処からアカデミーまで走っても遅刻は免れないーー


「よし！私も人助けしますか！」

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