黄色い光 3

133.昔とは違う雰囲気 ページ38

「意外と早く帰って来たね」
「結構、長かったと思ったんだけどな」
「んだか！…んじゃ私はこれで…」
「おーいっ！」


ダメダメ！ちょっとキュンて来たけど、もう未練がましく恋するなんて時間の無駄なんだ
私には関係ない
ミナトはただの幼馴染でただの同期なんだ
終わった…恋なんだ
作り笑いで手を振り、そそくさとその場を離れようとしたらシカクに首ごと捕まった
少し絞まったよッ！！


「…んだよシカク」
「んだよ、じゃねぇよ…良いのかミナトだぞ？喧嘩したまんまなんだろ？」
「…それが？私はこれから用事があるの！」


ﾌﾞﾁｯ


「よーしこれからミナトの"おかえり会"だ！飯いくぞー！」
「はぁ！？ちょっ！私はミズハとの約束が！！」
「！」
「どうせお前らも飯なんだろ？ついでだ！ついで」


少し強引な男はモテるとか聞くけど、私はこの強引は好きじゃないぞ！！
こんなことになるなら関わらなければ良かったと深く後悔した
けど、その前に…


「分かった！分かったから自分で歩くッ！つか、首絞まってるってば！」


やっと解放され、首を撫でた
そうだよ…コイツら(同期)のノリは本気でヤバイんだ
行動力のあることに関しては羨ましい以前にドン引きだ！
しかしよくこんだけ集まったモンだよ
みんな暇人なのか？


「お前ら何食べる気だったんだ？」
「肉」
「んじゃ、肉にするかぁ」


シカクのこのマイペースな所は……もう、考えるのは止めよう
疲れるだけだ


「…はぁ」
「シカクは全然変わらないね」
「！ ミナトは…身長伸びたね」
「んー？そんな気はしなかったけど、こうして見れば伸びたかも」
「気づいたらぐんっとミナトに越されて見上げてそうだべな！」
「ははっ！それは大変そうだ」
」


自然の流れに任せ最後尾まで後退した
集団との間を二歩ほど下がった距離を保っていたら同じく後退したミナトに声を掛けられた
ちょっと気のせいかと思ったけど、こうして隣に並んでみれば大分ミナトの身長が伸びてた事に驚いた
３年前はちょっとしか変わらなかったのに、今では少し見上げなきゃならない
男の子の成長って怖いな


「…Aは少し変わったね…見た目も雰囲気も」
「ーー昔とは違うからね…変わるよ」


ミナトが旅に出て直ぐ私は伸ばしていた髪を切った
何もかも邪魔で、嫌になって…
投げやりに全てを棄てた





「……Aの好きも変わった、？」



「ーーーえ、」

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