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130.否定して、よ ページ35

「…ッ、…クシナの両親が亡くなったことは知ってるよね?」
「………」
「…ずっと塞ぎ込んでたんだ…ッ!だからボクは少しでも前の明るいクシナに戻って欲しくて…」


ストンって何かが私の中で落ちた気がした
あぁ、今の私にはきっと何を言っても無駄なんだ
って自覚した


「だから私の時もずっと傍に居てくれたの?」
「!? ち、違っ…くはないけど!そうじゃなくって…っ、A」


ミナトと私の考えは違う
分かっていた、でも受け入れたくなかった
ミナトの傍に居たかった
でもそれが今は苦しいんだ


「ずっと…ずっと!この気持ちを受け入れたくなくて…でも、っ!もう疲れたの…っ」
「A!ボクは…ッ!」
「帰ってッ!!」


家から追い出すようにミナトを押し出した
もう何も聞きたくない
ミナトの言葉なんて…今更、私には無意味でしかなんだから
でも私の拒絶を払いのけ大声でミナトは怒鳴った


「ーーッ!少しはボクの話を聞けよっ!」
「! …聞け?今更なにをさ?今のミナトの中に私は居ないんでしょ?」
「……本気で言ってるの?」
「………否定…してよ…ッ、」


そんなこと無い
って言って欲しかった
今だけは嘘でも良いから…疑わないで、否定してほしかった
ワガママだよね…っ?
やっぱり私は、まだまだ弱い


「ごめん…、やっぱりミナトとは同じ小幅では歩けそうにないや」


ただ呆然と立ち尽くすミナトに謝り、静かに扉を閉めた
ワガママで、自分勝手で…
子どもじみた浅はかな愚か者
客観的思えばそんな所だろうか
それでも私は自分が可愛いから、自分を守ることしか考えれなくなってしまった


「うぅ…っ、ひっく…!ぅ、わぁあっ!!」
【……A】


押し潰されそうな気持ちと、溢れ出る涙に泣き崩れた
ずっと怖かった
ミナトの中で私の存在が消えることが
でも、恐れるぐらいなら自分から切り捨てた方がまだマシだと分かった









それから1週間後ーーー。

ミナトが里を旅立ったと風の噂で耳にした。

131.閉幕→←129.もう、疲れたよ



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(プロフ) - 桜@symphonyさん» 作ってる本人が言うのもアレですが、私も胸の奥の方がギュッてなってます!(笑)気持ちが共有できて安心しました。そう言ってもらえると書いて本当に良かった!って気持ちになります。ありがとうございます!更新の方も頑張りますね (2017年7月19日 19時) (レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
桜@symphony(プロフ) - 読んでいるうちに胸の奥がぎゅうっとなります。 この微妙な距離感好きです笑 更新頑張ってください! このお話好きなんですっ!! (2017年7月18日 23時) (レス) id: 7086530ca0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ミナト大好きさん» 作者スペースまで読んでいただき、ありがとうございます!はいっ!これからも頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いします (2017年7月14日 22時) (レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
ミナト大好き - コメント失礼します初めてイラスト観ましたカッコイイですこれからも最後まで更新頑張って下さい! (2017年7月13日 23時) (レス) id: 54870f527d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年6月25日 1時

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