黄色い光 3

129.もう、疲れたよ ページ34

「…クシナは知ってるの？旅のコト…」
「？ うん、知ってるよ」
「…そう」


聞いといて悲しくなった
私は…クシナより後…なんだ…っ
分かってた事じゃないか
あんなに一緒に居れる時間があったんだ
私には持てない時間が…


「…っ」
「あ！クシナがねAに会いたがってたよ！大事な話があるとかって」
「………」


ギュッて何度も何度も締め付けられるこの痛みを嫉妬って言うんだよね？
このドロドロした気持ちを嫉妬って言うんだよね？
大好きな笑顔で楽しそうに話す言葉は１番聞きたくない名前でーー

私の気持ちなんて全然気にもしないで……ッ！！
その名前を口にしないでよっ！！


「……もう、疲れた」
「ぇ、あ！ごめん…任務明けだったもんね…っ」
「違う…っ」




「ミナトを好きでいることに疲れたのーーー」




無意識に吐き出された言葉はとても冷たいモノだった
だけど、それが答えでもあったんだ


「な、んで…？ぇ、どうしたの急に…っA？」
「ミナトは私よりクシナと一緒が良いんだよね…」


もう疑問なんか持てないほど明確で
ミナトの口から出る言葉を全て受け入れる覚悟はもう出来てた
今でもズキズキと痛む胸の痛みに気づかないフリをしてーー
涙を流さまいと必死に堪えた


「どうして…クシナとは…っ」
「だったらなんでいきなり名前で呼ぶようになったの？」
「それは…同じクラスだったし…っ最近よく喋るようになったからで」


目線を反らすミナト
分かってるよ
あの日は極秘扱いでーー

誰も、何も、見ていない、聞いてない

あの夜は無かったんだ
ミナトなら未だしも私は絶対、口外できない
絶対に…ッ！


「私はよく二人を見かけるよ？４日前もちょっとしたことで喧嘩してたよね…」
「！…それはっ」
「二人を見てると自分が嫌になるの…二人を嫌う私がいるから」


溜め込んでいた気持ちが止まらない
もう嫌だなんだ
幸せそうに過ごす二人を見続けるのが
違う
ミナトの中にまだ私は居るんじゃないか？
って期待することに疲れたんだ
期待をすることも、この胸の痛みも、嫉妬し続ける時間も、涙を流して苦しむ時も
全てに置いて私には無駄でしかないんだ
この感情は私にとって支障でしかない

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