黄色い光 3

98.直感して分かる事実 ページ2

順当に勝者が決まって行き、それぞれの個性が出ている戦闘に釘付けになりつつ興奮した
取り入れたい動きや、技のタイミング…
まだまだ自分の成長に繋がる希望が出てきたって意味だ！


「えっと次の相手は……イブキくん、私は応援してるぞ」
「うるせー」
「敗けても恥じることはない！」
「初めっから敗け前提に話すなーっ！」


ポンとイブキくんの肩をソッと叩いた
何故ならイブキくんの相手はミナトなのだからーー
全力でイブキくんに手を振りエールを贈っといた


「所でずっと気になってたんだけど良いかな？」
「ん？」
「Aちゃんと波風くんってどっちが強いの？」


突然ツナギくんから来た質問に暫し考えた
どっちが強いー？
たまに考えたりするけど結局どっちが、ってのは決まらない


「ミナトは兎に角、動きが速いかな？ミナトの動きに付いていけなきゃまず勝てない…体術も大分キレがいい」
「Aちゃんにそこまで褒めて貰えるなんてやっぱり凄いんだね」
「だが！私も負けないっ！イブキくんは敗けるけどね！」
「あはは〜っ」


手合わせした時に感じた感覚と、一次での動きを見るにミナトも成長している
鋭さを増して…
イブキくんだってずっと見てきたから分かる
少しずつ強くなっている
けど
やっぱり違うんだ、と直感して分かった




「…よォ」
「イブキくんとは一度手合わせしてみたかったんだ、よろしく」
「奇遇だな！俺もずっと手合わせ願いたかったところだ！」


互いに笑っては居てもけして眼は笑ってなど居なかった
腹の探り合いをしつつ、出方を伺うように観察し合っていた
Aを通して会う中ではあっても手合わせするほどの関係でもない両者にとってこの場は願ってもいないチャンスでもあった
私情や、忍としての力量…
全てを測り知れる絶好の好機なのだからーー

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