黄色い光 3

103.馬鹿力じゃありません！ ページ8

「お疲れさん」
「ん！」
「…にしてもやり過ぎだろ」

「再起不能じゃん」


２階に上がり、にゃん太達の居る方へ戻る途中シカクに呼び止められた
下を見ればタンカーに運ばれるギンの姿が目に止まった
気分が晴れるぐらいに痛々しく腫れた顔がこれまた最高だ


「アイツが人を馬鹿にするのが悪い」
「強いって聞いてた割には一歩も触れさせなかったし、スゲー馬鹿力！」
「シカクも馬鹿にしてるべ」
「そんなことねぇよ〜」


ニヤニヤしながら言われても説得力の欠片も無いっての！
一つ溜め息を漏らし戻ろうとしたら再び呼び止められた


「このまま勝ち進めれば当たるな」
「シカクと？」
「そりゃあ決勝戦の話になる…オレが言いたいのはーー」
「…あぁ、なるほど…まぁ、ぼちぼち頑張りますよ〜っと」


シカクが言いたいことは分かった
このまま両者共に勝ち進めれば、準決勝でミナトと当たる
運が良いのか、悪いのか…
でも良い機会であることには間違いないんだ


「Aちゃんおめでとう！」
「あんがと〜」
「随分と、まーやる気ねぇのな」
「少し疲れた！」


感情任せにチャクラを放出し過ぎた
チャクラコントロールしつつ、体術ってのは直ぐバテるし頭使うし…とりあえず疲れる


【感情任せにやるからだ…バカ！】
「ふん、ぐぅうんん〜っ！！」
【やるならちゃんとチャクラコントロールしろ！】


ヘナヘナと壁にもたれ掛かれば、にゃん太に鼻を肉球で押された
癒されるし、ご褒美にしかなってないけど！
結構痛かったりする…


「は？あれAの馬鹿力じゃねぇの？」
【チャクラを圧縮して威力を高めてるだけだ…それより小僧…俺はお前に説教したいことが山のようにあるぞ】


イブキくんは変な所に突っ掛かるよねぇ
興味本位が仇となり癒しの肉…ｺﾞﾎﾝｯ！ にゃん太は私から離れ先ほどのミナト戦に置いての説教をするべくイブキくんの肩に乗り移った
可哀想なイブキくん
滅茶苦茶イヤそうな顔してるけど、にゃん太の説教は長いって事だけ忠告しておくよ
私の心の中で…！ｷﾘｯ


「A」
「？」
「スゲェーかっこ良かったぞ！」
「…私はただ馬鹿にされたから仕返ししただけですよ」
「Aは友達想いの優しい子だもんな？」


物凄く嬉しそうに笑う先生の笑顔に力が抜けた
先生にはバレバレだったみたいで
変なところはちゃんと見ているんだなぁ、この先生
優しさで世界を救えるって夢見勝ちな事を言うだけはある
そう思いながらとりあえず苦笑いしといた

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