黄色い光 3

138.依存 ページ43

「っ、あのね……私、ミナトに依存してるんだ」
「…！」
「私が忍として居れるのはミナトが居てくれるから…」

「理由が無きゃ…ダメなの、私には…っ」


耳元にそっと呟き、力一杯抱き締めた
正しい表現なのかは分からないけど、ミナトが欲しい
自分のモノにしたい
子ども染みた独占欲とバカにされてもいい
それだけ、大切で好きなんだ
彼がーー


「…Aはオレ無しじゃダメになっちゃうの？」
「……ん、」
「オレと同じだね」
「ーーえ、？」
「オレもAが居るから強くなろうと思えるし、…もうA無しじゃ考えれない所まで来ちゃったんだよ？」

「だから、好きなだけオレを求めてよ…オレも求めたいから」


求めても良いんだ…
優しく笑うミナトの表情に顔が熱くなるのが分かった
やっぱりミナトはズルいな…っ
何度だってこうして私を恋に落としてしまうんだからーー


「！」
「！？ ミ、ミナトささ、ん ！？…いたっ一体、何をっ！」
「 静かに…じっとしててーー」
「！ ーーっ、」


突然ミナトから力強く抱き締められ、身を隠すように木の影に密着した
それが不思議に思い、辺りを見渡せば私を監視していた暗部が動き回っていた
あの暗部にも可哀想な事をしてしまったな
監視対象を見失うんだ
今頃内心焦ってるに違いない
へへ…っざまぁみろ！
っと検討違いの場所に飛んでいく暗部に毒ついた


「ふぅ…どうやらバレなかったみたいだね」
「ふん！良い気味だ」
「……こんなことしてアレだけど…怒られない？」
「私を見失うアイツの責任だからねぇ〜たまには遊んでやらないと鈍って仕方がねぇべさ」


ちょっとした出来心ってヤツさ
別にこんなことして、まさか自分をストーカーしてるヤツにとやかく怒られる筋合いは無いね！
焦るアイツを想像すると笑えてきて面白い


「なんかコソコソしてるとイケないことしてる気分で楽しいね」
「…イケないこと、って？」
「！…ぇ、いや…そーーっ、やぁああっ！！」
「ははっ、捕まーえたっ！」


ニヤリと目を細め笑ったミナトさんに身の危険を感じ、全力で逃げようとしたら
呆気なく後ろから捕獲された
コイツ…無駄にスピードだけは一級品になりやがって…ッ！！

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