階級・甲の癸さん拾陸

711話　鬼舞辻side ページ17

鬼舞辻「…何をしている…。」



春姫「むざんさんのふとんにもぐりこんでます…？」



鬼舞辻「それは分かる、何故潜り込んでいるのか聞いている。」



突然布団に潜り込んできた春姫に声を掛ける。



春姫は私の背中にぴたりとくっついている。



春姫「ひとはだこいしかったから…？」



鬼舞辻「誰からその言葉を教わった。」



何故そんな言葉を知っている、貴様はいくつだ。



春姫「おにいさんにあまえたかったらいってみろ、ってきものやのおにいさんが！」



鬼舞辻「何を言われているんだ貴様は…妙なことを教わってくるな。」



春姫「だめですか？」



鬼舞辻「…はあ。」



溜息を吐きながら春姫の方を向き、抱き締める。



鬼舞辻「今日だけだぞ。」



春姫「えー、やだー…」



鬼舞辻「おい。」



もう眠いのか欠伸をしながら私に擦り寄る。



春姫「にんげんはひるまにねているとからだこわすのになぁ…」



鬼舞辻「寝る直前に文句を垂れるな。」



春姫「わたしがはやじにしたらむざんさんのせいです…。」



鬼舞辻「おい巫山戯るな人のせいにするな。」



…そういうものの、返事は来ない。



鬼舞辻「…話しながら寝るとは…器用な奴め…。」



もう一度深く溜息を吐き、頭を撫でる。



…初対面とは随分と印象が変わった。



私には心を許しているということか。



そう思ったら…何故か分からないが、温かい感じがした。



鬼舞辻「…何なんだ。」

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