階級・甲の癸さん拾伍

676話 ページ32

雪希「ほんっとっ…私は、あんたのそういう所がっ…」



そう言いながら刀を振るってくる。



雪希「大嫌いなんだよ！！！！」



『…具体的に何処が嫌いか…教えてくれない、かな！！』



応戦しながら問い掛ける。



雪希「どうせ殺すから教えてあげる…私はあんたの全てが嫌い。

その中でも…人に好かれ、愛される才能…それを持っていながら認めない所が嫌い。

力があってその力を認められているくせに、その場に留まって上を目指そうとしない所が嫌い。

出来るはずのない鬼と人間の共存を夢見て、それを実行出来そうになるほどの実行力と、それを手伝ってくれる仲間が居るという所が嫌い。

…何より、私と同じで人を殺そうとしているのに…淀んだ目をせず、真っ直ぐな…そんな目をしてくる所が、大嫌い…！！」



…じゃあ、何で、



『そんなに辛そうな顔をしてくるのさ…。』



雪希「…うるさい…そうやって知ったような口を利くな！！

私の気持ちなんて分からない…愛されているあなたを見せつけられていた私の気持ちなんて！！」



…ごめん、ごめんね…



『…ずっと…苦しめてしまって…ごめんなさい…。』



雪希「やめろ！！これ以上私を惨めにするな！！」



そう言って刀を振るってくる。



…傷付け続けた、それに変わりはない…でも。



多くの人を傷付けたことにも…代わりはない。



だから…



『…此処で、決着を付けようか。』



…例えまた、あなたを傷付けたとしても。

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