階級・甲の癸さん拾伍

677話 ページ33

雪希「良いよ、やろっか…」



そう言って日輪刀を持ち、構える。



雪希「全集中、雪の呼吸…参ノ型・雪崩！！」



『全集中、雨の呼吸…捌ノ型・小夜時雨。』



衝突し、奴の身体が一瞬吹き飛ぶ。



雪希「…ふふ、」



『…何笑ってんの。』



雪希「良いことを教えてあげようか。」



笑った奴は、僕の方を見ながら愉快そうに言う。



雪希「雪崩を放った後は、その場全体が凍えるほどの寒さに包まれる…。

…あなたが放つ雨全て、その寒さにより…雪になる…そしてそれは私の呼吸の力になる！！」



『…つまり、使えば使うほど、あんたの力にしてしまうってことか。』



雪希「そういうこと。」



…腹立つな、ムカつくな…僕はこいつをどうしても、雨の呼吸で倒したい。



『まあ…やってみないと、分からないでしょ。』



そう言いながら刀を構える。



『…っ、』



…あまりの寒さに、身体が上手く動かない。



雨の呼吸も…上手く使えない…何なんだよ。



雪希「残念だったね？これで終わり。」



そう言うと、笑顔を崩さないまま刀をまた構える。



…此処で死ぬのか？



死んで溜まるか。



死の呼吸…いやでも、だけどっ…



雪希「全集中、雪の呼吸…陸ノ型・雪姫の吐息。」



奴がそう言うと、雪が一気に襲ってきて…その中から、剣撃も襲ってくる。



『くっ…』



ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ…死ぬ…



…そう思った、その時。



胡蝶「A！！！」



しのぶさんの、焦るような声が聞こえてきた。

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