継子と呼吸 ページ8
『任務完了…。』
一人で任務を終わらせ、一人で屋敷へと向かう。
倒した鬼に向かい手を合わせ、離れながら一人でまたも馬鹿なことを考える。
…僕は弱い。
氷の呼吸にはそれ相応の力と体力…それら才能が必要。
特に柱になるほどとなると、かなり強くなければならない…僕の師範はそれを全て兼ね備える、所謂“天才”というべき存在なのだと思います。
力や体力が必要なことから、氷柱は昔から多くはなかったものの…大抵が男の人であったのだとか。
それでも、女の人だとしても氷の呼吸を…ある程度の筋力とかがあれば取得する事が出来るそうなのです。
…僕にはそれが出来ませんでした。
だから、水の派生である氷の呼吸…そのまた派生の雪の呼吸の使い手。
…僕は、弱いのです。
『…師範、僕は一体どうすれば師範みたいに強くなれるのですか。』
なんて言ったら、師範は一体どのような反応をするのでしょう。
…たまに考えてしまいます、師範にはもっと有能な継子の方が良いだろうと…僕みたいな継子を持っていて…どんな風に感じているのだろう…と…。
『…師範みたいになりたいのです…どうすれば良いのですか…。』
届かない、そんな言葉を夜空に向かって吐き出す。
無理だと知っていながらそんなことを言うだなんて、僕はやっぱり馬鹿なのでしょう。
『どうして頭の良い師範が、頭の悪い僕を継子にしてくれたのですか…?』
分からない、疑問がたくさん出てくる。
こんなこと…師範に聞けるはずがない。
あの人のことだから、どうせこんなことを言えばおちょくって来るんでしょう。
…それが嫌だから聞かないんじゃないんです。
貴方に失望されるのが嫌だから…聞くことが出来ないのです…。
その場に蹲り、膝を抱える。
そしてそのまま、普段は出さないような弱々しい声で呟く。
『…こんなダメな継子でごめんなさい、師範…。』
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←継子と迎え
207人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みどり - Twitterアカウントを持ってないけど拝見させて頂いてる者です!童磨の柱ifその発想はなかった!いつも楽しく見させていただいております!これからも頑張ってください! (2019年11月19日 22時) (レス) id: ae6be26781 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - この作品、とても好きです!続きがとても気になる! 更新頑張ってください! 楽しみにしてます。体にも気をつけて頑張ってください! (2019年11月7日 23時) (レス) id: e1d694a8d5 (このIDを非表示/違反報告)
心月美玲(プロフ) - つるかめさん» 童磨の柱if良いですよね…!!ないのかな、と思って探してたので自分で書けば良い!!みたいな!!((ありがとうございます頑張ります!!嬉しいです〜!!是非お願いします!! (2019年11月7日 17時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
つるかめ(プロフ) - 童磨の柱if小説探してたので、こんなに素敵な見つけられて思わず舞い上がりました…!執筆頑張ってください!Twitterのほうも見させていただきます!! (2019年11月7日 17時) (レス) id: 3406c64e72 (このIDを非表示/違反報告)
心月美玲(プロフ) - 紅乱さん» Twitter見てくださってるんですね!!ありがとうございます!!いやぁ、みんな生きてるif世界が大好きなもので…。ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年11月7日 17時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ