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45話★ ページ47

『…刀を交える必要性はないと言ったはずですが。』



すぐさま葵さんを背に隠し、そう彼に問いかける。



…葵さんは確か、風間千景と言った…この男、才はある…。



風間「まさか斬られることもなく交えるとはな…貴様は中々腕の立つ武士のようだ。」



『そんなこと今は聞いていません。』



「千桜さん…」



『離れてはいけませんよ。』



「は、はい、」



風間千景という男は、葵さんを見据えた。



風間「俺の気配を感じることが出来、名さえも知っている…何者かと思えば、所詮その程度の人間か…。」



…興味を持ちかけた、というところか…。



『彼女に手出しはさせませんよ。』



風間「ふ…ならば、貴様が相手になるか。」



『…意味のない殺生は働きたくありません。』



風間「この状況でそう言うとは、随分腕に自信があるのだな。」



何なんだこいつ…雰囲気が…



「千桜さん…この人、」



そこまで言うと、葵さんは僕の耳元に口を寄せ…小さな声で、言った。



「…人でなく、鬼です。」



『…!』



…人の気配に神経を済ませていたからこそ、こいつの気配には気付かなかった。



その理由が今分かる。



風間「…さあ、どうする?」



そう言われ、刀を構える。



残念ながら…鬼は、“得意分野”だ。



『貴方が引く気がないのなら。』



風間「ふ…弱き人間如きがこの俺に刀を向けるか。」



「その弱き人間に刀先に向けたのどこの誰だよ…」



『強いですね、貴女。』



葵さんの度胸には、常々驚かされる…。

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作者名:心月美玲 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年8月29日 23時

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