32話☆ ページ34
『…またそれですか。』
沖田「実際そうでしょ?」
ああ、また始まる…不器用な沖田さんの、不器用なやり方が…。
沖田「今までの君だったら、新選組の邪魔になるような奴すぐに斬り捨ててたよね?
何せ新選組で一番非情で冷酷と言われる三番組副長なんだからさ。
なのにその子の事になると、見たことないくらい甘くなって饒舌になって…。
誰に対しても見せないような優しそうな顔しちゃってさぁ…それじゃ君じゃないんじゃない?」
…本当は、怪我をした天馬さんが心配なんだ。
だから、怪我をさせた私が許せなくて…そう言っているだけなのに…。
『…それで?』
沖田「っ…だから、君、この子に甘すぎるんじゃないかって、」
『だとしたら?』
沖田「─────!?」
そう言った天馬さんの表情は…元から無表情なのに、それに合わせて何処か冷たさまで持っていて…何となく、“怖い”と、感じた。
『…彼女に甘かったとしたら?だとしたら何か?
僕はそれで仕事を疎かにしたり新選組に何か非を齎したりなどはしていないはずですが?
それでも何か文句があるというのなら細かく説明していただいても?』
沖田「そういうわけじゃ」
『それでは良いですよね、僕はここで失礼します。』
それだけ言って部屋から出て行ってしまう。
…私のせいで、新選組に亀裂が出来てしまったりしたらどうしよう。
そう思ったら…怖くて仕方なくなった。
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