白群の軌道

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「マァ、確かにここから上がるには少々火力に難ありというか……来馬さんの追尾弾が無かったら那須ちゃんも落ちてなかっただろうし…空閑くんと渡り合ってたら、どっちが勝つかはわからなかったですね。
でもここまで来たなら応援したくなっちゃうな」
「……たまたま来馬のおこぼれをもらっただけだ。どうせ今までの試合も、白い髪の奴だけで点取ってきたんだろ？」
「メガネくんが一点くらい取ってたかな……」
「二宮さん手厳しい」

今日は二宮さん、機嫌が悪いのかもしれない。いつにも増してちょっと怖い。

「あのメガネは戦術をかじっただけの雑魚だ。戦術と戦闘どっちもいける奴には勝てない。出水、A、お前らやたら玉狛を評価してるが、玉狛第二が太刀川隊や一騎打ちでAに勝てると思うか？」
「まさか、それはさすがにないです」
「全員私だけでも相手できますよ」
「お前…言うなぁ」


当方、B級ソロで攻撃手を努めさせて貰っている。
空閑くんとは少し戦ってみたいけど、まぁ私の方が強いな、と勝手に結論付けた。

「だろうな、つまりはそういうことだ」
「でも雨取ちゃんの火力は侮れないと思うけどな〜その気になれば狙撃以外も出来るわけだし。以前にアステロイド撃つとこ見たんですけど、ギャグみたいな威力でしたよ」


この実力者が言ってるんだからそれは間違い無いだろうけど、射手1位の方は私と同じく何か思うところがあるらしい。

「や、出水。それとこれとはちょっと違うっぽい。雨取ちゃんが点取れない…ってか取らないの」
「やはりお前は目敏いな。今日の試合を見りゃわかる、はっきりとな。あのチビ大砲は……人が撃てない」

なんとなく、この人の機嫌が悪い理由がわかった。
雨取ちゃんとあの人が、似てるからか。

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