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恋してた ページ15

手を伸ばしかけてやめた。






風に溶けたそれに触れていたかったが、
終わりにしたのは自分。
そのようなことをする立場ではない。




「それはさっきのお願いとは違うぞい」





彼女の温度を自分から手放した。




笑いかけたつもりだったが、うまく出来ていただろうか。





彼女に背を向け、重い足を踏み出す。




手に残った温度が蒸発して、滲んだ藍色の空で息をした。

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作者名:都空 | 作成日時:2017年4月6日 17時

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